卒業を祝して

卒業を祝して
~自助協力の精神で世界へ羽ばたけ~

<広報アジア2008 年3 月10 日発行>

 ご卒業おめでとうございます。いよいよ皆さんは実社会に巣立ちますが、そこには厳しさと愉しさが待っていることでしょう。

 世界経済のグローバル化はさらに進行しています。情報通信や輸送などの技術進歩は地球をますます小さくし、製品は国際的なネットワークにより生産され、サービスは国際的な展開が推進され、投資資金は世界を駆けめぐっています。グローバル化により常に外国との競争に晒され、世界の動きが直ちに日本国内に影響し、仕事や生活ではリスクが付きまといます。

 リスクから逃げるのではなく、むしろ積極的に立ち向かうことも必要になるでしょう。卑近な例で言えば、元本保証の銀行定期預金からリスク負担投資に向かわざるを得ないということで象徴されます。否が応でも、国であれ個人であれ、世界全体が大競争時代に入っています。産業空洞化、地域格差、所得格差、非正規雇用、世界景気の同時進行などは直接間接にグローバル化が大きく起因しています。

 このような環境の中で、市場占有率1位の企業は同質化を図り、占有率2位以下の企業は差別化を図り、生き残りを懸けます。競争の厳しさを忌避するだけでは何も生まれません。個人の努力と能力が報われる社会にあっては、立ち向かうだけの勇気が必要です。創造性をみがき、それぞれの人生の未来を拓かなければなりません。

 文化も経済も同質化が進めば、その中で異質なものが顕在化してきます。場合によっては緊張や軋轢が強まり、対立を生むこともあります。しかし、この緊張を対立としてではなく、相互の尊重と多様性として愉しむだけの広い心と知恵が必要ですし、そのためには多くのことを知り経験することが必要です。地球が小さくなったこととは、世界の人々、世界の文化がより身近なものとなり、より多くのものを見聞きし、自分の世界をより大きくする機会が増したということです。世界の人々と共に生きていくことは、我々皆が望んでいた理想のはずです。

 競争社会に挑戦し、多様性を愉しむ。すなわち、自助の精神で己を切磋琢磨し、協力の精神で他者を尊ぶ。亜細亜大学で学んだもっとも重要なものは、この知恵ではないでしょうか。世界に羽ばたき、大きく生きてください。