平成20年度地域交流活動報告書
平成21年3月発行
この1年間も、地域の皆様と交流をさらに深めることができ、私ども大いに喜んでおります。大学は社会的な存在であり、大きく公共財的意味を持ちますし、社会貢献は大学の責務ではあるとはいうものの、大学にある知識、人材、施設などの各種資源を地域に活用していただけたことは、素直に嬉しくあります。 もちろん、大学が継続的に教育という社会的責任を果たすためには経営基盤も必須条件であり、魅力的な教育を世に問う必要があります。その一つとして、地域にある資源を教育に積極的に活用することも考えなければなりません。例えば、実学的・実践的な教育を達成するには、地域にある人的資源を活用したり、ボランティア活動のように教育することで自己の教育になるというサービス・ラーニングも考えられます。これらのことが大学教育の魅力づくりに繋がります。さらに言えば、亜細亜大学が地域の魅力づくりに貢献し、地域が魅力的になれば、亜細亜大学の魅力度が増すことにも繋がります。大学の持つ諸資源を地域に活用し魅力的な地域創造に貢献することは、地域の公益と亜細亜大学の経営と教育の向上という私益が両立することになります。いわば、地域と大学は持ちつ持たれつの良好な関係が構築できます。
亜細亜大学が立地する地元武蔵野市は、先進的な自治体として、また住んでみたいまちとして全国的に知られており、非常に高く評価されています。地域創造を追求し、しかるべく成功した自治体と言えます。昨年12月6、7日に経済教育学会第24回全国大会が「まちづくりの経済教育」のテーマのもとに本学で開催され、邑上守正武蔵野市長に「武蔵野市のまちづくり・・・コンパクトシティの挑戦」というテーマで記念講演していただきました。いわば邑上市長が直々に亜細亜大学と人的・知的交流をされたわけです。また、本学最寄り駅の武蔵境駅南隣に、この地域の文化的拠点である武蔵野プレイス(仮称)が平成23年1月末竣工予定で工事が開始されたと聞いています。武蔵野市からも、市長の本学での講演といい、文化的拠点づくりといい、着々と交流の手が差し延べられております。
「まちづくり」は、受動的か能動的かで、また、地方と都市部ではかなり様相が異なっているように思います。受動的かつ地方について言えば、グローバリズムと国際大競争の中で、地方の企業が窮地に追いやられ、大企業本社の意向で地元支社が撤収したり海外に移転したりと、地元の企業、労働者、購買力が縮小し、果てはシャッター通りで象徴されるような状況にあり、地域産官学連繋などのように、地域のあらゆる資源を結びつけて、どちらかと言えば経済的な意味で地域再生を図らざるを得ない状況にあります。他方で、能動的かつ大都市については、より魅力的で快適な生活環境・生活空間を地域として創造すべく、地域に賦存するすべての資源を有効に結びつけようとしています。以上の2ケースをあえてステレオタイプ化すれば、「地域再生」と「地域創造」と言っても良いと思いますが、どちらも地域においても大学に一定の役割が求められています。地域ごとに、その地域の持つ資源や特性は異なりますし、大学の特性もまちまちです。つまり、地域における大学の役割は、地域ごとに、あるいは、地域再生や地域創造の趣旨により、全く異なる方式を個別に模索していかなければなりません。
本学は、地域交流を恒常的な活動ととらえ、より積極的に推進すべく、20年度からはプロジェクト・ベースから常設の地域交流課として活動しています。地域交流課が管轄する平成20年度の活動報告書の内容ですら本文にあるように多様ですが、実際はさらに多彩・多様です。今後とも地域と共にある亜細亜大学の地域交流・協力活動を模索を続けていくことになります。快適で住みやすく、魅力的で安心できる素晴らしいまちづくりを達成すべく努力を続けていく所存ですので、宜しくご支援・ご鞭撻いただければ幸いです。