青々会報89

大学全入時代に向けた本学の取り組み

<青々会報第89号 平成19年3月10日発行>

 昨年10 月1日に学長に就任して以降も、本学の動きは活発です。スポーツとアジア・国際教育が本学の持つ優位性を発揮し、これらをさらに伸張させて本学の特色を鮮明にし、大学全入時代の中であっても、積極的に発展に結びつけたいと思います。

 スポーツでは、硬式野球部が昨年の東都大学野球秋季リーグ戦で優勝し、続く明治神宮野球大会で優勝することで大学日本一になり、しばらく優勝から遠ざかっていたものの、完全に復活しました。優勝の経験と自信が次の励みに繋がるものと思います。今年の東都大学春季リーグ戦が楽しみです。陸上競技部も、昨年の箱根駅伝総合優勝に続き、今年は10位につけ、シード権を獲得しました。早くも来春の箱根駅伝が楽しみですし、
その間の活躍も期待できます。さらに、JAPAN MEN'S FUTURES 2007のひとつとしてJapan F1 亜細亜大学国際オープンテニス2007大会の本戦が3月19日から25日にかけて行われます。大学がこのような国際試合を主催するのは初めてであり、もちろん本学としても初めての経験となります。ちなみに、昨年は女子ローンテニスが全国大会で準優勝を果たしています。

 スポーツ選手の活躍が一般学生の教育、マナー、自信などに与える好影響、あるいは卒業生や近隣地域市民の一体感形成への効果を大いに評価すべきで、これらを積極的に活かす方策を模索していきたいと思います。

 教育面では、他大学も必死に改革を推進し、魅力を打ち出そうとしています。正確な判断に基づく改革でなければ、諸大学の後塵を拝することになります。

 現在の世界はChindia あるいは巨龍と巨像と呼ばれる中国とインドの2大国の経済成長に強く影響され、ここ3年ほど名目経済成長率は5%台と、今世紀に入ってから最も高い成長を続けています。「亜細亜融合に新機軸を打ち出す人材を育成するをその使命とする」亜細亜大学の教育の理念を展開すべき時代の到来です。

 ただし、世界経済もアジア経済も新時代に入っています。97年に始まるアジア経済危機以前のアジア経済は「東アジアの奇跡」ともてはやされましたが、実態はエスニックの色彩が強く、クローニー(縁故等の伝統社会に基づく)経済でした。現在のアジア経済はグローバルな環境下で、それぞれの国の特色を生かして、東アジア諸国相互あるいは世界を相手に貿易や投資を行い、再び成長センターになっています。つまり、アジア各国の融合は進み、グローバルなビジネス活動への関心を強めています。実際、留学生の多くもビジネス志向ですし、本年度の入試結果を見ても、経営学部が受験生総数、倍率、増加率において最も良い成果を達成しています。

 本学ではこのような趨勢を受け、3年前に「アジア夢カレッジ」を設置し、昨年には「アジア・国際経営戦略研究科」を設置しました。前者では、キャリア開発中国プログラムとして半年近く中国大連外国語学院に留学し、そのうち約1ヶ月間の現地日系企業でのインターンシップを実施し実学志向の教育を行っています。また、後者も同様に日中ビジネスの実践的な教育を行っており、中国上海市の復旦大学キャンパスでの現地授業も組み込まれています。両プログラムとも、本学の教育理念であるところのアジア地域で活躍し、「建設的実践」を行う人材の育成を狙っています。

 他に、経営学部では3年前に「ホスピタリティ専攻」を設けています。この専攻もすこぶる実践的な教育を志向しており、ホテル、フード、観光の3部門で活躍することを想定した教育内容となっています。「アジア夢カレッジ」と「経営学部ホスピタリティ専攻」ともに、一期生が今春四年生となり、就職活動を始めます。それぞれの領域で活躍する後輩に期待してください。

 現在、学内では多くの改革を検討しています。全国的に5割の短大が定員割れを起こし、多くが改組しつつある中で、伝統ある我が短期大学部(前身は日本経済短期大学)は定員割れを起こしていません。が、速やかに対応を考えておくべきであり、将来構想を検討し、当面は、より魅力あるカリキュラムへの改編に取り組んでいます。

 また、中国の大連外国語学院からの編入生受け入れの拡大についても検討しています。中国からの留学意欲は相変わらず旺盛ですが、留学生が1万人程度であった1983年に発表された「留学生10万人計画」は2005年に12万人に達し、今後の留学生受け入れ政策は量から質の重視に転換しています。質の良い留学生を安定的に確保するために、信頼関係のある特定大学からの受け入れ比率を高めたいという内容です。

 とくに組織改編では、内容ばかりでなく、前提として、人的・資金的に無理のないことが要求されます。毎年、良好な成果が達成されるよう努力しなければなりません。そのためには、良好な就職率と、それに影響される受験生数増加が必要であり、そのための対策についても検討しています。その他、いくつかの改革を並行的に検討していますが、実施が確定し次第、機会を捉えてご報告致します。

 厳しい社会環境化ではありますが、創立以来65年にわたって培ってきました経験と英知を生かして、母校の更なる発展、前進に努めてまいります。卒業生の皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。