青々会報91

亜大の歴史・伝統を今こそ生かすべし

<青々会報第91号 平成20年3月10日発行>

 平成十九年度から大学全入時代に突入すると言われていましたが、結果として、進学率の上昇などにより全国的に見れば入学志望者の方が大学受入人数よりも約一割多く、また、本学はそれを大幅に上回る受験者を集めています。しかし、すでに大学の選別が進行しつつあります。本学がいわば勝ち組となるためには、他大学にない特色を明確に打ち出すことが必要です。定評のある何ものかの創造といっても良いと思います。

 本学はアジア地域を中心とする国際教育、ならびにスポーツ活動において他大学よりも大きなアドバンテージを有しています。前者については、この一年間、中国(香港、台湾を含む)に何度も訪問しました。その結果、中国でもっとも著名な北京大学、清華大学、復旦大学の三大学との学術交流協定を締結するに至っております。また、中国大連外国語学院との関係はさらに深まり、二十二年度から三年次編入生の受入枠を毎年五十名に拡大することになっています。大連市でのアジア夢カレッジ・プログラムは革新的な教育内容であるばかりでなく、今後の戦略的中国展開としても位置づけられましたが、大連市での亜細亜大学の存在感は圧倒的で、拠点作りには成功したと言えます。その他多くの大学と交流が進み、中国で大きく展開する環境はかなり整ってきたと言えます。

 国際交流が遅れていた日本は一九八三年に留学生受け入れ十万人計画をたてましたが、現在は約十三万人になり、福田内閣では三十万人計画をたてています。中でも、とくにアジア地域からの留学生受け入れは、理念、伝統、実績ともに亜細亜大学の基軸であり、我が意を得たりという感があります。他大学の後塵を拝すことはできません。本学は中国を始めアジア地域からの留学生受け入れにさらに積極的に努力すべきであり、これを梃子にさらに本学の発展を期すべきだと考え、そのために尽力したいと思います。

 もちろん、中国一国に偏りすぎることによる不安定性は回避すべきでしょう。二十年経ち約一万人が参加したAUAP、あるいはAUEP(交換留学制度)は、近年参加者数が減少傾向にありました。バブル崩壊以降の日本経済の低迷、海外からの内向き姿勢(良く言えば地域社会の見直し)、テロの危険などで海外への関心が弱まったものと思います。しかし、AUAP は、ここにきて復調しつつあるようです。亜細亜大学の名称に象徴されるように、アジア地域で活躍できる人材を育成することは、本学の使命でありますが、アジア地域に偏りすぎず世界どこででも活躍できる人材を育成すべく、英語教育強化のためE-Learningシステムも導入しました。今後の効果を期待したいと思います。

 スポーツについては、本学の二大スポーツのうち野球は東都大学野球春期リーグで四位、秋季リーグ戦では二位と、今年度は優勝にはとどきませんでしたが、着実に好成績を残しています。陸上では箱根駅伝で総合五位という素晴らしい走りを皆様はテレビでご覧になったことと思います。輝かしい歴史を築いて下さった岡田正裕監督は惜しまれつつも退任することになりましたが、陸上競技部の栄えある伝統は続いていくに違いありません。この両部は、亜細亜大学の硬式野球部、陸上競技部として確実に定評を得ていると言えます。亜細亜大学らしいスポーツで言えばセパタクロー部が全日本学生選手権で優勝を果たしています。また昨年に続き本年もJapan F1 亜細亜大学国際オープンテニス2008が開催されます。スポーツの活躍は亜細亜大学のいわば「勢い」につながり、学生や教職員、卒業生、ご父母、その他の本学関係者の連帯感一体感を生み出しています。引き続き、スポーツ活動を支援していく所存です。

 国際教育とスポーツの活躍が本学の知名度を大いに高めることに貢献し、たとえば、関東地域での大学知名度は十三位(受験生調査)となっております。しかし、これらばかりでなく、着実に成果をあげ実質的に重要な意義を持つものにキャリア教育があります。たとえば、フリーター率(フリーター数/卒業生数)は全国平均の半分以下になっています。初年時からの徹底したキャリア教育が就職内定率の高さに繋がると同時に、人間形成に大きく寄与しています。

 現在我が国では、国際的大競争の時代、あるいはグローバル化の世界において競争力を維持すべく、国際的に通用する学士の質を保証する教育が求められつつあります。大学を囲む規制の緩和と競争的な環境づくりが進行し、たとえば、学生一人あたり単純一律の補助金受給が減らされ、社会的に評価される魅力ある教育システムや研究システムの構築に対して競争的資金が重点的に補助されます。日本全体として、大学が多様化し、総合力や生産性を強化しようとするものです。また、それぞれの学部ごとに、何を学ぶことが出来るかを明らかにするために、教育研究目的を明確に示すこと、そして、FD(ファカルティ・ディベロップメント:教授法改善のための全学をあげた取り組み)活動が義務づけられています。本学も、亜細亜大学らしい魅力ある、しかも、教育の内容が明快で目的指向を持つ教育プログラムを開発していかなければなりません。このような大学間競争の時代こそ、本学のさらなる発展の機会と捉えておりますので、青々会の皆様におかれましても宜しくご支援・ご鞭撻をお願いいたします。