大学間競争と不況の時代、引き続きご支援を!
<青々会報第93号 平成21年3月15日発行>
この1年間、全国各地区で開催された青々会連合総会に出席させて戴きましたが、どの会合でも心温まる歓待を受けました。この紙面をお借りして御礼申し上げます。お仕事や学生時代の思い出話で盛り上がりましたし、母校愛溢れるお話や励ましのお言葉を頂戴しました。皆様がご活躍しているお姿を拝見すると嬉しくもあり頼もしくもあります。中には、クラブの先輩としてなど、いろいろな機会を捉えて来学される方も居られるようです。
武蔵野キャンパスでは新2号館が出来て数年経ちますが、本年4月には経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科がスタートすることもあり、はやくも授業のための教室割り当てなどでゆとりがなくなりつつあります。もとより、教育では教員の資質がもっとも重要で、学生がより積極的に学習したくなることが肝要、施設設備は二の次です。とはいえ、新2号館を始めとし多くの教室では、教材提示その他の情報設備を利用した授業が行えるようになっており、情報機器を整備することでより効率的に教育できる環境を整えております。新年度には、コンピュータ教室やオープンPC など、都合650 台近くのパソコンやサーバなどが新しくなります。施設ばかりでなく国際教育も進展しています。従来から学術文化交流協定校の大連外国語学院から編入生を受け入れていましたが、本年以降、共同学位取得プログラムとして、4月に経済学部、法学部及び国際関係学部で計20 名、9 月に経営学部で30 名を3 年次編入生として受け入れます。9 月の編入学は初めてとなります。
ここ数年間、大学教育改革に関して矢継ぎ早に各種の方向性が出されてきました。大きく分けると、①総論:教育基本法の改正、教育振興基本計画の策定、自己点検・自己評価の義務化、事前管理から事後チェック体制、教育財政支出の縮小と競争政策の導入(ばらまき的補助から競争的資金配分)、②教育内容:導入教育や生涯学習の導入、社会人基礎力の養成、厳密な成績評価、学生の質保証や国際通用性の確保、教育力の向上(教授法改善活動の義務化など)、③その他の要請:留学生30 万人計画、大学の地域貢献要請、等々です。また、大学を取り囲む環境は、少子化と全入・定員割れ、進学率上昇(教育のユニバーサル化)と大学乱立(過去20 年間に大学数は1.5 倍)、昨秋からの世界同時不況と深刻な新卒者雇用、という状況にあります。
かつて、バブル期までは高度な技術や信頼性のある自動車や工作ロボット、あるいは、集団海外旅行と高額な買い物をする姿などが日本の象徴で、日本の高技術やリッチな日本人が世界を席巻しました。バブル崩壊後は、グローバリゼーションや円高の中で日本産業の国際競争力の喪失に対する危機感として、産業の競争力をつけるべく規制緩和と競争政策が推進されました。そのために多くの負の遺産を残しましたが、肝心の日本産業が競争力を付けたかは、産業が金融部門などにシフトしたこともあり、不明です。バブル期まで世界を席巻した日本の高技術が、日本の大学教育により生み出されたかとなるとすこぶる懐疑的です。少なくとも、大学教育をサービス産業として捉えた場合、世界で比較優位をもった産業と言えそうにありません。産業競争力喪失と同様の危機感が、教育・研究の競争力をつけるべく前述の矢継ぎ早の改革論議と考えると概ねつじつまがあいます。しかし、比較優位が無い場合、競争政策よりも国際経済学で言うところの幼稚産業論が当てはまるかも知れません。つまり、国際競争力をつけるまでは保護した方が、当該国にも世界の厚生にも貢献するというものです。もちろん、大学といえども一様ではなく、ある種の競争政策は必要かもしれません。
さて、少子化は今後10年ほどは一段落しますが、その後また急速に進みます。このことは、18才までの人口がわかっておりますのでほぼ確実です。全体的にみればほぼ全入時代にありますが、個別大学状況は別の話で、全国の約半数の大学が定員割れを起こし、短大に至っては7割が定員割れの状況にあります。本学は短大を含め定員割れとは遠いところにありますが、もちろんのこと油断は禁物、引き続き有為で有能な学生を求めたいと思います。特別推薦入試は21年度から卒業生の子女弟妹に加えて孫と在学生子女弟妹へと有資格者を広げました。青々会の皆様におかれましても、是非、ご推薦下さるようお願い申し上げます。
今般の世界同時不況が大学の経営にどう影響を及ぼすか不明ですが、入試や進学、就職に影響することは間違いないでしょう。本学でも内定取り消しが出ています(本稿執筆時点で2件)。バブル崩壊後、解雇よりも採用控えの方が対処しやすいせいか新卒者雇用が最も犠牲となりました。ここ数年、景気回復と連続的年齢構成の必要性で改善傾向にありましたが、再び逆戻りです。今春から就活が始まる新4年次生も神経質になっているようです。例年、本学の就職状況については就職内定率やフリーター率などで非常に良い数値を示しています。それには1年次から将来進路や就職意識などを考えさせるような就職指導をしているからですが、今後も一層就職支援を強化していく所存です。青々会の皆様にも、本学学生の就職に心をとどめくだされば幸いです。