来年は建学70周年
各種記念行事を企画
<青々会報第95号 平成22年4月20日>
青々会の皆様におかれましてはご壮健のこととお喜び申し上げます。昨年10月より2期目の学長職を務めております。引き続き、皆様のご支援・ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
さて、既に昨年の夏に学内各学部ならびに教員に、本学の将来構想等についての抱負があれば9月末までに提出して欲しいと呼びかけ、11月には提出された提案書をもとにヒアリングを実施しました。新たな組織に関するもの、地域貢献や教授方法などに関するものなどが中心でしたが、これらも参考にして、1月には学部長会の下にある全学教学戦略会議において検討を開始し、新学部・新学科設置検討委員会、短期大学部改革検討委員会、全学教育改革検討委員会、国際化教育検討委員会、学生生活指導検討委員会を設けました。
7割の短大が定員割れにある現状下で、本学の短大部は定員割れこそ起こしていませんが、予断を許さない状況です。短大部自体の改革と全学としての新たな姿を早急に模索しなければなりません。また、学生の将来志望実現のための支援、FD活動(教授法等の改善に関する全学的取り組み)などの義務化に伴う各学部専門教育と教養教育の改善、学部の教育目的をより明確にすることにより各学部の魅力度を向上させる必要もあります。さらには、今後の国際化時代に対応した国際化教育の推進、地域貢献や障害者教育、さらにはキャリア支援の推進など、本学が取り組むべき課題は山積している現状と言えます。
今春の入試は、少子化の中にあって、2年連続して志願者数が増加しました。いささか専門的になりますが、受験者数は前年の倍率を参考にするため、結果としての受験者数増減は隔年現象を起こし、今年はその谷の年にあたります。また、不景気の中で受験者は受験校を絞り込みます。これらの状況下にも拘わらず増加しました。とくに、注視していた経営学部ホスピタリティマネジメント学科の2年目の入試も志願者数が増加し、順調に推移していると言えます。大学が元気であるとの印象が持たれるのかもしれませんし、年ごとに本学の社会的評価が高まってきたことの証かもしれません。
つぎに、気になる就職状況ですが、全国の就職内定率は非常に厳しい水準にあります。例えば、2009年の内定率は10月1日(以下全て1日)、12月、2月、4月になるに従って69.9%、80.5%、86.3%、95.7%へと増えていきました。2008年秋のリーマン・ショックにより2009年は前年より概ね1、2%低く推移し、2010年には10月1日で62.5%、12月1日で73.1%と、さらに前年を約7%も下回って推移しています。比較可能な本学の大学の就職内定率は12月1日で77.7%と上回っていますが、絶対水準こそ重要であり、引き続き就職支援に努力する所存です。中央教育審議会での審議などを踏まえ、大学・短期大学では学生が社会的・職業的に自立するよう、キャリアガイダンスを設置基準に含めることになっています。つまり、高等教育におけるキャリア教育面での質保証が義務化されることになります。本学のキャリア指導は定評がありますが、正課を含め、さらに強化していきたいと考えています。
皆さんも、テレビで厳しい事業仕分け作業をご覧になったかと思います。高等教育関係の文教予算はかなり厳しい状況です。日本の高等教育に対する公財政支出の対GDP比が、先進国クラブといわれるOECD諸国平均の1%に対して0.5%と非常に低く、それは研究費補助、基盤的経費、学生支援すべてに亘っています。教育や基礎研究は営利に繋がらない価値ある活動として各種の補助金が手当てされてきましたが、補助金の比率が、一般的補助から成果に直結する競争的資金方式に、さらには初等中等教育支援にシフトしつつあります。大学進学希望者総数が大学の総供給を上回っていながら多くの大学で定員割れが発生しているという事実は、まだまだ多くの大学の教育内容が社会の要請に対応していないことを意味します。加えて、学生の学力低下、キャリア意識や目的意識の欠如への対応として、基礎学力養成や補習授業、キャリア教育なども必要です。日本の国際競争力を考えると、このような高等教育の混沌とした状況に一抹の不安も感じますが、本学としては毅然として教育を推し進める所存です。
本学は今春で建学69年となり、来年には70周年を迎えます。大学という基本的には利益集団ではなく同感により成立し心の拠り所となる組織の場合には、その活動を省察し、理念を確認し、母校としての求心力を維持していく必要があります。そこで、本学としては、建学70周年から75周年にかけて各種記念事業の企画について検討しています。その一つに、アジア大学学長フォーラム(アジア地域の大学学長フォーラム)の本学での開催を計画しています。また、学園史も前回の編纂が『亜細亜学園五十年史』であり、その後ほぼ20年が経ちます。本学の記録や記憶の貴重な資料が散逸したり喪失する以前に記録にとどめておく必要性を感じております。
建学69年の歴史は、それぞれのお立場でこの間の亜細亜大学の発展に寄与されてきた結果として築かれたものです。この歴史は全ての亜細亜大学関係者が共有しています。大学は同窓生の心の拠り所でもあり、永続すること自体にも意義があります。母校の存続と発展に今後ともご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
