大学紹介

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司法試験合格で近づいた目標

大橋 慶士(Ohashi Keishi)
法学部 法律学科 H27年度卒業
 

本学法学部を2016年に卒業した大橋慶士さんが令和2年司法試験に合格しました。大橋さんは本学を卒業後同年に法科大学院(明治大学専門職大学院法務研究科既修者コース)で学んだのち、3度目の挑戦で見事、弁護士への道を開きました。

大橋さんが法曹界を志したきっかけは小学生の頃までさかのぼります。時を経て多くのメディア作品を通して弁護士業のイメージが具体的になるにつれ、「法というルールを生かすことで、身近な人たちを守れる存在になりたい」と夢を目標に定めました。

いずれは東京を拠点に働きたいと考えていたこともあり、亜細亜大学の法学部に進学。裁判官や弁護士、検事といった専門職を目指す学生向けに設けられた「法律専門職コース」で目標達成に向けた学生生活をスタートさせました。入学後すぐに実施される新入生向け研修「出会いの広場」で弁護士の鹿島秀樹法学部教授と出会い、以降4年間は先生の下で学びを深めました。

判例を基に条文が修正されていく過程を具体的に示し、生きた法律を教える鹿島先生の授業はとても面白かったと当時を振り返ります。ゼミナールでは「ソクラテス式問答法」を取り入れた形で、先生からの問いと学生の解を繰り返すことで論点を掘り下げ、論理的かつ理性的な思考力を鍛える場面もありました。実はこの学習方法は法科大学院での学び方そのもので、実際に法科大学院に進学した大橋さんを大いに助けてくれるものだったそうです。

鹿島先生だけでなく、民法や憲法、刑法の授業も興味深く、法の成り立ちを歴史を通して学ぶ意義を見出し、他者への伝え方という観点から視覚的にわかりやすい先生のレジュメづくりにも注目したと当時を語ってくれました。「『刑事政策』の授業で刑事施設の生活について学んだことは印象に残っています。専門科目に加え、全学共通科目の『西洋史』や『社会思想史』ではクリティカルシンキングを身につけました。『英語コミュニケーション』では鑑賞した映画の感想を英語で発表する課題があり、物事をわかりやすく簡潔に伝える技術を鍛えることができました」と一つひとつの講義が夢実現の糧になったといいます。

​法科大学院に進学後の勉強時間は1日13時間に及びました。「板書ノートとは別に、学んだことを自分の言葉で整理した独自のノートを作成していました。付け焼刃の知識ではなく、それぞれの知識を咀嚼し、自分なりに理解したうえで言語化する作業を丁寧に続けました」と勉強に更に力を注いだ2年間でした。授業では必ず1つは質問をすることを自身に課し、疑問や課題を発見する着眼力を養ったそうです。合格を手にした際、「鹿島先生が非常に喜んでくださったことが嬉しかった」と喜びを噛み締めました。

一方、授業外ではゴルフ部に所属し、他学部の友人や先輩との交流も楽しんだといいます。留学経験者のメンバーから聞く海外生活や授業の様子は興味深く刺激的だったそうです。クラブ顧問の先生には試験対策で苦しい時に励ましの言葉をもらい精神面でサポートしてもらったことも。私生活では2年生の頃から通い始めた司法試験の予備校と週3,4日の塾講師のアルバイトもこなし、多忙ながらもオンとオフを切り替えて充実した学生生活を送りました。

△大橋慶士さん(明治大学の自習室にて)

最難関の国家試験に向け勉強漬けの日々を送った大橋さんですが「法律を学ぶのが楽しくて仕方がないという好きな道を見つけられたからこそ、難関を乗り越えられました。合格した今、一つ後悔するならば学部1年次のころから予備校に通学すべきだったということ。対策を始めるのに早すぎるということはありません。亜大で学ぶ皆さんには、今できることに全力で取り組む気持ちを大切にしてほしいです。大学はその道の専門家から学べる貴重な場でもあります。目標となる尊敬できる人を見つけて頑張ってください」と同じ道を目指す後輩に向けメッセージを送ってくれました。

〈2021年2月8日更新〉