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戻る「インターナショナル・フォーラム」(第7回)

世界でいま何が起きているのか、国際分野で活躍している著名人から直接学ぶことができる公開講座「インターナショナル・フォーラム」の第7回が11月11日に行われました。

当日は東京女子大学現代教養学部准教授の家永真幸氏を迎え、「パンダから見る日中関係史」をテーマに講義が行われました。 講義は大きく2つのポイントについて展開され、 まずは「パンダはいつから『中国の動物』なのか?」を切り口にスタートしました。

人類がパンダに強い関心を持ったのは150年ほど前のことです。1929年米探検隊のパンダ狩りに端を発し、より珍しい狩猟対象の動物としてパンダは注目を集めます。しかし、その後1936年に初めて生きたパンダがアメリカに持ち帰られて以降、世界史上初のパンダ・ブームが発生し、「愛すべき」動物となります。1941年、日中戦争さなかの中国は「平和の象徴」として、日中戦争で国際社会の同情を勝ち取るため、パンダをアメリカに贈呈します。 ここにおいてパンダは、欧米社会で愛されているパンダを中国も大事にしているというアピールに使われることになります。

こうして中国は「欧米人のパンダの見方」を自らの「パンダの見方」に取り入れながら、「パンダは中国の動物」、「平和・友好のシンボル」といった今日に繋がるイメージを打ち出していきました。

2つ目の柱は「パンダはなぜ『日中友好のシンボル』なのか?」です。

1949年に成立した中国共産党を主体とする中華人民共和国(ソビエト陣営)は、台湾に逃れた国民党を主体とする中華民国(アメリカ陣営)と対立していました。1972年、中国政府はニクソン訪中による米中の電撃的な和解に際し、友好の証としてパンダを贈呈します。また同年の日中国交正常化に際して来日したランラン、カンカンは日本人に熱狂的に歓迎され、日本でもパンダ・ブームが発生します。 当時は中華民国と断交する意思を示した国でなければパンダを受け取れませんでした。

中華人民共和国は相手国との友好を測るバロメーターとしてパンダを効果的に活用するようになったのです。

愛玩動物として私たちにとっても身近なパンダですが、来歴を辿ることで見えてくる中国政府の外交術に受講生も興味深げに耳を傾けました。





 
<2019年11月13日 19時49分>