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戻る経営学科主催「2021年度懸賞論文」の表彰発表が行われました

経営学部経営学科のゼミナール科目「ゼミナールⅡ」において、2021年度懸賞論文を実施しました。

この企画はゼミナールでの研究活動を通して培ってきた、調査力や論理的記述の訓練、能力の集大成として4年次生を対象に行われるものです。第5回となった2021年度においても多数の応募があり、学科教員による論文審査委員会を通して厳正に審査されました。

審査の結果、最優秀賞2本と優秀賞1本が選出されました。それぞれの論文テーマ、執筆者は次の通りです。受賞者には3月15日の卒業式・学位記授与式において賞状と副賞が贈られました。

《審査項目》
論理性、 独創性・新規性、データ等の活用、学習した知識の活用、課題解決への示唆の5項目

懸賞論文授賞式

最優秀賞1

執筆者

荒井 智瑛さん

論文テーマ

「雇用の流動化で企業業積を上げられるか:組織の新陳代謝に着目して」

受賞学生コメント
卒業論文の完成に向け、モチベーションを高める一手として懸賞論文への参加を決めました。受賞によって自信をつけたいという思いもありました。日本政府が2021年4月に施行した雇用の流動化を促進するための政策が企業にとってプラスに機能しているのかに興味を持っていたため、同テーマで執筆に挑みました。検証に当たってはこれまでに学んだ統計学の知識が生かされましたし、日ごろから批判的思考で物事を考えること、問題意識を持つことの大切さを実感することができました。結果として最優秀賞に結実したことは嬉しく、大学生活の中で一二を争う良い思い出になりました。論文執筆を通して身につけた思考力や心構えを卒業後も仕事や人生に生かしていきたいです。
■審査員講評
本論文は、日本企業の雇用の流動化と企業業績との関係性に与える要因を明らかにすることで、雇用の流動化によって国の政策の効果および企業業績をいかに高めることができるのかについて考察した論文。先行研究を踏まえた明快な論旨展開による完成度の高い論文となっており、雇用の流動化と企業業績の関係について、丁寧に実証分析が行われている。雇用の流動化について、概ね適切に論理を展開することができているが、論文全体として山本・黒田(2016)に依拠する部分が多いのが若干気になり、学術的意義について説明を深める余地があるのではないか。

最優秀賞2

執筆者

篠田 竜知さん

論文テーマ

「企業業績を高めうる社外取締役の特性:ガバナンス改革が進んだ指名委員会等設置会社を題材に」

受賞学生コメント
卒業を前に自分の学びの到達点を確認するため、そして複数の先生方に論文を評価してもらえる貴重な機会だと思い懸賞論文に応募しました。論文執筆にあたっては「どのような特性をもった社外取締役が企業業績に正あるいは負の影響を与え得るのかを分析できれば、日本企業のガバナンス強化に貢献できる」という思いからテーマを設定しました。検証・分析の過程では、経営学や財務会計、コーポレート・ガバナンスに関する専門的な知識が大いに役立ちました。研究論文として論理的な筋道を立てて分析を行うこと、図表を活用して視覚的に理解を促す工夫も意識しました。最優秀賞に選出されたことで、大学での学びの価値を再確認することができ、自信につながりました。執筆を通して新たに習得した経営や統計などの知識を活かし、社会で活躍していきたいです。
■審査員講評
本研究は、日本企業の指名委員会等設置会社において、企業業績に影響を与える社外取締役の特性を明らかにしようと試みた論文。指名委員会等設置会社について興味深い問題意識を持ち、適切なテーマ設定が行われている。企業業績に影響を与える社外取締役の特性の導出・選定においては、不明瞭な点もあるが、仮説および分析結果は非常に納得できるものとなっている。その際、社外取締役の各種の特性について、個別の特性だけでなく、分析結果を総合すると、社外取締役や指名委員会等設置会社にどのような示唆があるかについて、踏み込んで考察があるとなお良かった。全体として、論旨展開が明快で新規性が高く、しっかりした分析に裏付けられた論文である。

優秀賞

執筆者

堀田 千弘さん

論文テーマ

「アセットオーナーが間接的に株式保有する企業に与える影響:GPIFに着目して」

受賞学生コメント
ゼミで学んできたことを実践する良い機会だと思い、懸賞論文に応募しました。ゼミでの学びがとても充実していたので、学んだ知識の修得度確認する目的もありました。同テーマは3年次から取り組んできたのですが、様々な文献を読む中で、企業と株主の関係にも着目し、深く掘り下げて検証・分析することにしました。執筆にあたっては3年次にゼミナールで出場した産官学金連携のコンペティションでの経験が役に立ちました。優秀賞を獲得できたのは最後まで親身に指導くださったゼミの積先生のおかげです。ゼミで培った論理的思考力や仮説構築力を活かしつつ、価値ある情報を見出すため、「地道にでも手や足を沢山動かす」心構えを第一に卒業後も学び続けていきたいです。
審査員講評
本論文は、アセットオーナーであるGPIFの間接的な株式保有が、被保有企業の現預金水準に対し、影響を与えるのかについて検討を試みた論文。GPIFの正負両面の影響に着目し、論理的一貫性を保って議論を行うことができている。GPIFに着目する理由が、規模や影響度の大きさに留まっており、もう少し丁寧な説明を心がけて欲しい。GPIFの影響について丁寧に実証分析が行われているが、分析の結果について、総論でコメントするだけでなく、考察で深堀が行われるとなお良かった。学生にとって難易度の高いテーマにチャレンジし、まとめ上げた点を大いに評価したい。論文としての構成がよくできており、仮説と検証過程も興味深い論文となっている。
<2022年03月23日 17時00分>