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企画部
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国際関係学科、多文化コミュニケーション学科の2学科で構成される国際関係学部。各学科でそれぞれに活躍してきた学生を紹介します。
「現代アメリカの貧困層―公的政策が生み出す問題点―」について卒業論文を執筆しました。きっかけは、2年次に参加した5か月間のアメリカ留学(AUAP)とロサンゼルスでの個人旅行です。 ドラマや映画で見る華やかで豊かなイメージとはかけ離れた、貧困や格差を目の当たりにしたことから始まりました。
留学中、現地のアメリカ人学生に医療制度の実情を聞き、良策に見えたオバマケアに不満を持つ声が少なくなかったことは意外でした。トランプ支持者層の見解や日本の制度との比較検証できる機会にも恵まれ、医療だけでなく、教育、食糧、就労支援といった福祉制度全般を見渡す必要があることに気づかされます。
たとえば、低所得者向けの公的食料費補助である食料配給券制度は、救済制度である一方、栄養の偏ったファストフードの利用を促すことで彼らの健康に害を及ぼし、結局のところ医療費の負担を強いる貧困ビジネスが陰に潜んでいます。こうしたことを現場で見聞きできたことは、テーマに取り組むうえで、その対策を考える使命感にもつながりました。
大学入学前は友人たちに倣い、国公立大学への進学を漠然と考えていました。しかし第1志望への進学は叶わず、であればと、これまでの留学経験と得意の英語を生かせる点、海外渡航のチャンスが得やすい点に着目して亜細亜大学への入学を決めました。
亜細亜大学は豊富な留学制度が魅力の一つでしたし、実際フレッシュマン・イングリッシュで知り合った友人は、亜細亜大学の留学制度への参加を目的に入学している人が少なくありませんでした。ただ、私は目的地もそこで何をするのかも全て自分で決めて海外での経験を積みたかったので、その方針を貫きました。4年間、授業スケジュールを計画的に組み立てながら、奨学金を得つつ、休暇になると海外研修に向かう日々を過ごしました。
1年次の夏季休暇に海外ボランティアの一員としてチェコに渡り、ポーランドとの国境付近にある朽ちた校舎のリノベーションに携わりました。現場は各国から集まるボランティアたちの活気で溢れていました。当時はトランプ大統領就任の話題で持ちきりで、あまり政治の話をしない日本人の私からすると「他国の大統領就任についてここまで盛り上がれるものか?」と驚きましたが、彼らは他国の出来事をしっかりと私事として捉え、議論していたんです。彼らの姿勢に刺激を受けました。
あとは、憧れの存在であるチェ・ゲバラが生きたキューバを訪れた時。「彼が歩んだ同じ地に自分も立てた」ことに素直に感動しました。
大学では珍しさから関心を持ったアラビア語を第2言語として履修し、中東文化を学ぶ新妻仁一教授のゼミナールに所属しました。言語習得に苦戦しつつも、その言語が持つ文化的、宗教的背景への理解を深め、フィールドワークに重きを置く先生のおかげでアクティブに学ぶことができました。休暇中に訪問したエジプトではアラビア語で会話をする機会にも恵まれて、より充実した滞在になりました。
各国で過ごしてみて興味をもったのは宗教とともに生きる人々です。たとえばイスラム教ひとつとっても戒律や解釈は地域レベル、個人レベルで異なります。現地で生活し、そこで暮らす人々と交流することで初めて見つけられること、実感できることが沢山あります。(専攻すれば別ですが)日本では宗教とそれを信仰する人々の生活についてまで深く学ぶ機会が少ないですよね。
「~すべき」や「~しなくては」という一つの物差しを拠り所とする考え方ではなく、異なるものを受け入れ、尊重し合えることの方が大切だと考えるようになりました。様々な考え方や価値観を持った人たちと働き、生活していくこれからの社会には必要不可欠なことだと思います。
いずれは自分の会社を興すことを念頭に、社会経験として就職する道を選択しました。興味のある会社にESを送り、選考を進める中で出会ったのが楽天株式会社です。面接官から伝わる社風に自分自身の将来を見出すことができたので、楽天への就職を決めました。
〈2021年5月14日更新〉