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国際関係学部の学びの主役は、学生自身。

国際関係学科、多文化コミュニケーション学科の2学科で構成される国際関係学部。各学科でそれぞれに活躍してきた学生を紹介します。

国際関係学科

国際関係学科では、国際法、国際政治、国際経済、国際協力など多様な科目を通して、国際性を身につけ、国内外で活躍できる人材を育成しています。

留学経験を通して、現地で学ぶことの大切さを学ぶ
折茂 一穂

留学や旅行で訪れた外国の地で、貧困や格差の現実を目の当たりにしたことをきっかけに、アメリカの公的政策の実態に関心を持った折茂一穂君。国際関係学科で学んだ知識と自身が現地で直接得た情報を活用して課題解決に向き合い、学生生活4年間集大成となる卒業論文で優秀卒業論文賞を受賞した折茂君の4年間を振り返ります。

卒業論文のテーマと意義

「現代アメリカの貧困層―公的政策が生み出す問題点―」について卒業論文を執筆しました。きっかけは、2年次に参加した5か月間のアメリカ留学(AUAP)とロサンゼルスでの個人旅行です。 ドラマや映画で見る華やかで豊かなイメージとはかけ離れた、貧困や格差を目の当たりにしたことから始まりました。

留学中、現地のアメリカ人学生に医療制度の実情を聞き、良策に見えたオバマケアに不満を持つ声が少なくなかったことは意外でした。トランプ支持者層の見解や日本の制度との比較検証できる機会にも恵まれ、医療だけでなく、教育、食糧、就労支援といった福祉制度全般を見渡す必要があることに気づかされます。

たとえば、低所得者向けの公的食料費補助である食料配給券制度は、救済制度である一方、栄養の偏ったファストフードの利用を促すことで彼らの健康に害を及ぼし、結局のところ医療費の負担を強いる貧困ビジネスが陰に潜んでいます。こうしたことを現場で見聞きできたことは、テーマに取り組むうえで、その対策を考える使命感にもつながりました。

現地で得た情報を読み解く

これまで情報獲得の手段といえば、本や講義からがほとんどでしたが、自分で直接当事者に話を聞き、現場から考察するという1次情報を基に問題点を洗い出し、共通点を見出す作業ができたことは課題解決を模索するうえで有意義だったと思います。文字情報から得るイメージと現実の間には必ず乖離があります。自分の目で見て得る情報の重要性を改めて知ることができました。

帰国後の論文執筆では、文字だけでなく統計データなど数字やグラフを使用して説得力をもたせるよう先生からアドバイスをもらったり、友人から意見をもらったりして、精度を高める一方、参考資料の索引を辿りながら論文を読み込み、自分の論説を組み立てていきました。 

学生時代に、各国の友人たちと出会いさまざまな価値観や世界観があることを知り、その場で直面する問題や疑問に自ら取り組み、必要とする情報を獲得する術を学べたことは卒業後の自分にも大いに生かされると実感しています。

多文化コミュニケーション学科

多文化コミュニケーション学科では、海外でのボランティア活動やフィールドワークといった国際的な活動など、様々な多文化的経験を重ねることを学科生の皆さんに期待しています。

世界中を学びの場に。全力でやりたいことに取り組んだ4年間。
竹澤 泰雅

竹澤君

「大学ではできるだけ多くの国に渡り、世界の様々な価値観に触れたかった」と話すのは多文化コミュニケーション学科4年で学ぶ竹澤泰雅君。在学4年間で東南アジア、中米、欧州を中心に世界50数か国を巡った竹澤君へのインタビューをご紹介します。

なぜ亜細亜大学を選んだのでしょうか?

大学入学前は友人たちに倣い、国公立大学への進学を漠然と考えていました。しかし第1志望への進学は叶わず、であればと、これまでの留学経験と得意の英語を生かせる点、海外渡航のチャンスが得やすい点に着目して亜細亜大学への入学を決めました。

亜細亜大学は豊富な留学制度が魅力の一つでしたし、実際フレッシュマン・イングリッシュで知り合った友人は、亜細亜大学の留学制度への参加を目的に入学している人が少なくありませんでした。ただ、私は目的地もそこで何をするのかも全て自分で決めて海外での経験を積みたかったので、その方針を貫きました。4年間、授業スケジュールを計画的に組み立てながら、奨学金を得つつ、休暇になると海外研修に向かう日々を過ごしました。

海外渡航の中で特に印象に残っていることはありますか?

1年次の夏季休暇に海外ボランティアの一員としてチェコに渡り、ポーランドとの国境付近にある朽ちた校舎のリノベーションに携わりました。現場は各国から集まるボランティアたちの活気で溢れていました。当時はトランプ大統領就任の話題で持ちきりで、あまり政治の話をしない日本人の私からすると「他国の大統領就任についてここまで盛り上がれるものか?」と驚きましたが、彼らは他国の出来事をしっかりと私事として捉え、議論していたんです。彼らの姿勢に刺激を受けました。

あとは、憧れの存在であるチェ・ゲバラが生きたキューバを訪れた時。「彼が歩んだ同じ地に自分も立てた」ことに素直に感動しました。

大学では何を学びましたか?

大学では珍しさから関心を持ったアラビア語を第2言語として履修し、中東文化を学ぶ新妻仁一教授のゼミナールに所属しました。言語習得に苦戦しつつも、その言語が持つ文化的、宗教的背景への理解を深め、フィールドワークに重きを置く先生のおかげでアクティブに学ぶことができました。休暇中に訪問したエジプトではアラビア語で会話をする機会にも恵まれて、より充実した滞在になりました。

現地で学んだからこその体験・実感はありますか?

各国で過ごしてみて興味をもったのは宗教とともに生きる人々です。たとえばイスラム教ひとつとっても戒律や解釈は地域レベル、個人レベルで異なります。現地で生活し、そこで暮らす人々と交流することで初めて見つけられること、実感できることが沢山あります。(専攻すれば別ですが)日本では宗教とそれを信仰する人々の生活についてまで深く学ぶ機会が少ないですよね。

海外経験を経て自身に変化を感じることはありますか?

「~すべき」や「~しなくては」という一つの物差しを拠り所とする考え方ではなく、異なるものを受け入れ、尊重し合えることの方が大切だと考えるようになりました。様々な考え方や価値観を持った人たちと働き、生活していくこれからの社会には必要不可欠なことだと思います。

卒業後の進路について

いずれは自分の会社を興すことを念頭に、社会経験として就職する道を選択しました。興味のある会社にESを送り、選考を進める中で出会ったのが楽天株式会社です。面接官から伝わる社風に自分自身の将来を見出すことができたので、楽天への就職を決めました。


《受験生、後輩にむけて》
是非やりたいことに全力で取り組む学生生活を送ってほしいです。やりたいことを見つけるためには自己分析が欠かせません。自分は何が好きなのか、どうして好きなのか……まずは自分を知ることが大切です。純粋になりたい自分をイメージすることが、自分のキャリア形成につながります。

〈2021年5月14日更新〉