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戻る卒業後の将来像

都市創造学部では、都市の魅力を高めるコンテンツの発掘と、これを一つの企画にまとめ広く社会に発信する能力(都市コンテンツプロデュース能力=構想力+ネットワーク力+情報発信力)と都市のデザイン実現に関する課題を捉え、解決策(ソリューション)を見出し実行する能力(都市デザインソリューション能力=要求理解力+問題分析力+実行力)を身につけます。そして、これらの基礎となる、社会の実態を把握する社会調査能力、都市に関するビッグデータを活用するデータ分析能力、調査やデータに基づいて事業を運営するビジネス推進能力を獲得します。

これらの能力は、もちろん都市コンテンツのプロデューサーや都市の課題に対応したソリューションを提案するデザイナーが備えるべき基本能力であると同時に、都市に関わらず様々な活動に役立つ能力でもあります。

都市創造学部で学んだ学生は、次のような職種で活躍することが期待されます。

都市コンテンツプロデューサー

都市コンテンツプロデューサーは、都市の魅力となり得るコンテンツを見出し、強化し、社会に発信していく人材であり、都市に新たな産業を創造する活動に従事します。自治体の産業振興部門、地域金融機関等の融資部門、ベンチャーキャピタリスト等が考えられます。

都市の魅力となるコンテンツ(都市コンテンツ)には、文化コンテンツ(劇場や美術館、公園といった施設とそこでの展示内容や上演題目など)、エンターテインメントコンテンツ(都市で催される祭りやスポーツイベント、都市を映し出す映像・メディア、都市の生活スタイルを含むアニメやゲームなど)、地域コンテンツ(地域の特産品や地域固有の技術や産業集積)といったものが考えられます。

例えば、地域の特産品や地域固有の技術、産業集積である地域コンテンツを都市の魅力となるコンテンツとして捉え、その優位性を強化し、世界に発信していく人材がそれです。各地域には、そこに住む人々には周知であっても、地域外の人々には認識されていない、優れた特産品や特異な技術・産業集積が形成されていることがあります。これらの特産品や技術・産業集積は、それが見出され、意図的に強化され、広く情報発信されなければ埋もれてしまうものも多く、地域コンテンツのプロデュースは、地域コンテンツを都市の魅力として活かす活動(特産品を事業化する企業を誘致し、そのための規制の緩和を行政に働きかける活動、技術・産業集積の優位性を行政を通じて発信しこれを活用する企業と結びつける活動等)を推進する仕事です。自治体の立場(産業振興部門)から特産品や技術・産業集積を地域外に紹介する役割、金融機関の立場(融資部門)から特産品生産業者の支援や技術・産業集積を活用するために進出する企業へ資金供給の役割、ベンチャーキャピタリストの立場でこうした企業等に投資を行う役割を担います。

企業企画担当者

企業の内部にあって、製品・サービスや事業の開発に関与し、その初期段階での製品・サービス・事業の基本的な考え方(コンセプト)を創造し、実行計画の策定を推進する人材が、企業企画担当者です。

都市創造学部で学ぶ、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力は、コンセプト創造において重要な役割を果たします。また、都市創造学部で学ぶ、構想力・ネットワーク力・情報発信力は、製品・サービスや事業の開発の源泉となるでしょう。

社会起業家

社会起業家は、都市の文化コンテンツや地域の特産品等のコンテンツを、自ら活用し事業化する人材です。都市創造学部で学ぶ、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力は、事業化する際の基本的な情報を得ることに役立ち、また、事業化後の運営を支えます。また、都市創造学部で学ぶ、構想力・ネットワーク力・情報発信力は、事業化のアイデアを生み出し、実現に向けた資源の確保と事業の広報に寄与します。

都市創造学部での学びは、起業家育成にも適したカリキュラムでもあります。都市にあるさまざまなコンテンツのもつ魅力を理解し、これを社会のニーズに結びつけ、今までにない事業を構想する人材が社会起業家に求められます。

都市デザイナー

都市創造学部の学生が目指すことのできる都市デザイナーは、工学的な知見も考慮しつつ、経営学と都市社会学的なアプローチで都市を見つめ、そこに住む人々の思いや願いをくみ取り、活気あふれる心地よい都市を作る基本的な考え方を提示し、実践する人材です。

都市創造学部で学ぶ、社会調査能力とデータ分析能力を駆使して住民の心を読み、都市創造学部で学ぶ、要求理解力、問題分析力を用いて、住民の望みに叶う画期的なソリューションを探索します。提案したソリューションを実践するうえでは実行力が必要となり、経済的に持続していくためにはビジネス推進力が求められます。

事業推進マネージャー

都市創造学部の学びで身につける、要求理解力・問題分析力・実行力は、都市に限らず幅広い応用を考えることができます。要求理解力を身につけることで、一般企業等において基本となる顧客の声に耳を傾けることを実践する能力が高まります。
問題分析力は、現実の課題を深く洞察することに基礎を置くものであり、事業展開上の障害を克服することに通じます。実行力は、共有された目的を設定し組織の総力を目的達成に仕向ける能力であるため、一般企業等においても重要な能力とみなされます。

また、未来都市のデザインの実現に立ちはだかる課題に対応したソリューションを提案する人材の養成のための教育を行いますが、そこで学び体験するソリューション提案は、さまざまな課題の解決においても応用可能なノウハウとして学生に蓄積されるのです。一般企業においては、特に、新事業を推進する場合に、これまでにない課題に直面しますが、学生に蓄積されたノウハウは、こうしたビジネス上の課題にも適用可能でしょう。

NPO・NGOマネージャー

NPO・NGOが取り組む社会的な課題の解決に参画し、これを牽引する人材には、現実の社会を真正面から見つめ、課題解決のためのソリューションを探索し、実践的にソリューションを適用することが求められます。

都市創造学部で学ぶ社会調査能力やデータ分析能力は、社会の課題を捉えるうえで有効な能力となるでしょう。また、ソリューションの実践においては、ビジネス推進能力が寄与します。さらに、都市創造学部で学ぶ部要求理解力は、社会調査能力やデータ分析能力で捉えるべき課題の領域を把握する基礎となり、問題分析力はソリューションを探索する領域を指し示す能力でもあります。また、実行力は、ビジネス推進能力と複合し、強力に組織を動かす能力となるのです。NPO・NGOに参画する人材においては、さらに、倫理観の涵養も不可欠となります。

〈2022年4月1日更新〉