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「日本はアジアですか?」と聞かれれば、多くの日本人は「イエス」と答えるでしょう。ただ、「あなたはアジア人(Asian)ですか?」と聞かれると、何となく違和感を覚える日本人学生がけっこういるのです。

亜細亜大学に着任して以来、「アジアを知る12章」という科目(全学共通科目)を担当しています。多様で可能性に満ちたアジアについて関心を深めてもらうため、アジアの様々な国や分野に関する学内外の専門家が、それぞれの専門について1回ごとに完結の授業を行うリレー講義の科目です。

私はそのコーディネーターをしていますが、最終回には「アジアと日本~アジア認識の歴史と未来~」と題して自分でも講義をしています。その冒頭で、「アジアへのまなざし」という二者択一のアンケートを行っているのですが、そこで最初に聞くのが「日本はアジアですか?」という質問です。それに続いて、
①日本と他のアジアの国とは、区別して考えたほうがいいですか?
②他のアジアの国々は、日本のような国や社会になるのが理想的ですか?
③インドや東南アジアなどの成長・発展は、日本にとってよいことですか?
④中国の成長・発展は、日本にとってよいことですか?
などと質問していきます。そして、最後に「あなたはアジア人(Asian)ですか?」とたずねるのです。最後の質問に、ほぼ毎回3割程度の学生が「ノー」と答えます。①は3割程度が「イエス」、②は半々、③は8割以上が「イエス」、④は8割以上が「ノー」と答えます。

アメリカなどに留学に行き帰ってきた学生たちの多くは、「海外に行って初めて自分がアジア人だと意識した」、「中国人や韓国人と間違われるのがイヤだった」といった感想をよく聞かせてくれます。

海外に出て、初めて「アジア」を意識する。初めて「日本人」を意識する。そしてそこには、イヤな部分も含め、自分でも抑えられない何かしらの心の葛藤がある。こうした自分の中にある意識や葛藤と向き合いながら、日本とは何か、アジアとは何か、自分は何者なのかということを、逃げることなく考えていくことが、「アジア」の中で生きていく日本人にとって、必要な「グローバル」なのではないでしょうか。

あなたはアジア人(Asian)ですか?
 

青山 治世(国際関係学部 国際関係学科 准教授)

〈2015年6月19日更新〉