ホスピタリティ・マネジメント学科
2024.06.25
令和5年度『亜細亜大学ティーチングアワード』受賞者インタビュー:那須一貴教授
亜細亜大学では令和5年度から新たに、全学部生による投票結果をもとに、優れた授業を実施している教員を表彰する『亜細亜大学ティーチングアワード』を創設しました(選考方法など詳細はこちら)。
ここでは受賞者となった3人の教員のうち、経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科の那須一貴教授のインタビューをお届けします。
那須一貴教授 プロフィール
経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
専門分野:経営学
ここでは受賞者となった3人の教員のうち、経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科の那須一貴教授のインタビューをお届けします。
那須一貴教授 プロフィール
経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
専門分野:経営学
勉強の楽しさを知ることが大学で成長する原動力になる
学生の意見を大切にする双方向の授業づくり
「『話題の通販サイトがどうしてあんなに安いのか疑問に思いました』。こんなコメントが来ているけど、みんなはどう思う?」前回の授業で学生が書いたコメントペーパーをピックアップしながら、学生に質問を投げかけていく那須教授。周りの友人と一緒に話しながら考える学生や、指名されて自分の意見を発言する学生もいるなかで、那須教授はその考えを聞いた後、「たとえばこれはみんなもよく知っている〇〇という会社がやっていることだけど……」と、経営に関する話を展開していきます。
ひとつの話題を終えたら、また次のコメントペーパーに。堅苦しい授業とは程遠いリラックスした時間が流れますが、そこにはビジネスを考えるヒントがたくさん散りばめられています。これは那須教授が担当する1年次を対象とした『ビジネス入門』の授業で、ほぼ毎回行われる定番の光景のひとつです。
「実社会は高校までの授業のように“答え”があることばかりではありません。私自身も企業で働いていた頃は、知識やアイデアを活用して、自分なりのトライ&エラーを繰り返すようになって仕事が楽しくなった。一見関係ない知識や経験の積み重ねが、課題への気づきや自分なりの考え方につながっていく。これはビジネスだけでなく勉強の楽しさでもありますが、その感覚を学生にいち早く掴んでほしい。授業では経営学の理論だけでなく、実例を交えながらビジネスに関わるさまざまな話をしています」
授業開始当初はどこかぎこちないコメントペーパーも、徐々に個性的な考え方や自由なコメントが増えていき、那須教授は毎回その中で気になったコメントをピックアップしていきます。
「多様な意見を認めることを意識しています。周囲の学生のさまざまなコメントが読み上げられると、こんな考え方をしてもいい、自分なりの意見を発表していい、という雰囲気がクラスにできる。すると学生は考えながら授業を聞いてくれるようになります。学生もコメントを読まれると嬉しいようで、『どうしたら読まれるだろう』と色々と工夫をしてくれています」
なるべく学生に身近な話題を引用しながら、ビジネスの具体例を示すことも那須教授が心がけるポイント。たとえば「価格政策」に関する授業では、当日の新聞から、国内衣料品メーカーが富裕層向けに100万円超のニット製品を発売するというニュースを取り上げました。新聞やニュースから事例を引用する背景には、新聞やニュースに触れる面白さを学生に知ってほしいという狙いがあります。
社会の実例をテーマに経営学への興味を引き出す
2020年4月に経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科に着任した那須教授。2010年に大学教員となるまで、約20年間にわたり大手インフラ系メーカーや経営コンサルタントなどを務めてきた経歴の持ち主で、企業で実務経験を積み重ねてきたことも、授業のスタイルに影響していると言います。「学生のなかには、将来の明確な目標が見つかっていない学生や、周囲に勧められたからと大学に進学した学生もいます。そんな学生に『ビジネスの面白さや働く楽しさ』を教えることが、授業の目的のひとつです。そのためにもコメントペーパーでのやりとりをはじめとした双方向の授業の中で、ビジネスに関する興味を引き出し、考える楽しさを知ってもらいたいと強く思っています」
ホスピタリティ・マネジメント学科には観光業やホテル、ブライダル、航空業界に興味をもって入学した学生が多い中、那須教授の授業で取り上げるテーマは業界を限定しません。前述の衣料品メーカーのようにBtoC(一般消費者をターゲットとしたビジネス)の話題と同様に、学生には馴染みの薄いBtoB(企業間で行われるビジネス)もテーマとして取り上げます。
「私も大学を卒業した時に中小企業診断士を受検したのですが、実社会を知らないのでまったくダメでした。経営学は理論も大切ですが、やはり実社会で行われている実践を学ぶことが不可欠です。経営学の入門授業として、現場を知ること、いろいろな会社の取り組みを分析することが知識を深めるポイントになることを伝えます。それに理論だけを学ぶより、暮らしとつながる具体例を挟んだ方が聞いていて楽しいですから。105分間の授業を飽きずに聞いてもらうことも、授業づくりで大切にしていることです。学生たちも授業で聞いた話を自分のアルバイト先と比べてみたり、ご両親に仕事の話を聞いたりしているようです」
大学で学んでいく動機を1年次に見つけるために
『マネジメントは難しいと思っていたが、興味が湧いてきた』『世の中の出来事を考えると、見えなかったものが見えてきて、なるほどと思うことが増えた』『アルバイト先で、自分で考えて工夫できるようになった』。那須教授の授業に対して、学生からはさまざまな成長が叶えられたという声が並びます。こうした学びと成功体験を積み重ねながら、学生たちに“問いのたて方”を身につけてほしいと那須教授は語ります。「決して難しいことを求めている訳ではありません。いろいろな物事に触れた時に『なんで?』と思う習慣をつけることが大切です。そのために毎回の授業の中で、考える訓練を繰り返します。その力が培われれば、意見をまとめることが得意になり、レポート作成も上手になるでしょう。すると今度は物事を考えるために新しい知識を取り入れることが楽しくなってくる。これは経営学に限ったことではなく、たとえば全学共通科目で歴史や憲法などを学ぶ意味も見えてくるはずです。これが大学で学び続けるための『動機』となるのです」
『ビジネス入門』は経営学の入門授業であると同時に、1年次の授業であることから、那須教授はこれから大学で学んでいくための動機づけを意識します。何のために大学で勉強をするのか、それはどんな目標を叶えるためなのか。1年次の授業でこれから学んでいく動機をしっかりと掴めば、それは学生が大学4年間をかけて成長する推進力となるでしょう。
「課題を見つける力、目標から逆算して物事の進め方を立案する力、物事を大きく・広く捉える力、人を巻き込む力など、大学は卒業後に役立つたくさんの力が身につく場所です。私の授業はそういった力を身につけ、力を習得するためのコツを掴む機会であってほしいと思います。とはいえ、目の前の授業が退屈ではやる気も出ませんから、まずは授業自体が楽しいことも大切。その意味で今回、学生から授業自体が面白いと評価してもらえたのは、とても嬉しいことです。私の授業をきっかけに大学で学ぶ価値や経営学の魅力を知り、『将来何のために、どのように働いていくのか』を自分なりに見つけられる社会人に育ってもらいたいと思います」
<2024年06月25日 09時30分>