令和6年度『亜細亜大学ティーチングアワード』受賞者インタビュー:髙橋量一教授
経営学科
2025.09.25

令和6年度『亜細亜大学ティーチングアワード』受賞者インタビュー:髙橋量一教授

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令和5年度からスタートした、全学部生による投票結果をもとに、優れた授業を実施している教員を表彰する『亜細亜大学ティーチングアワード』(選考方法など詳細はこちら)。

受賞者となった3人の教員のうち、経営学部 経営学科の髙橋量一教授のインタビューをお届けします。

髙橋 量一教授 プロフィール
経営学部 経営学科
専門分野:経営学
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“生きた経営”を教壇に。情熱のオペラ型授業

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経営者から経営学の研究者へ
経営組織論を担当する髙橋先生は、教員になる以前に4つの会社を創業・経営した経験をお持ちです。

「最初は大学2年生でした。アルバイトで塾講師をしていたのですが、時給をもらって自分で教えるなら、たくさん人を雇って教えてもらったほうが効率も良く、ビジネスとして成り立つのではないかと閃いたのです」

思いついたら即行動の髙橋先生は、学習塾を運営する会社を興しました。塾は評判となり、あっという間に3校に。学生生活の傍ら、経営者として順風満帆な日々を送っていた時、運送会社を経営していた父親が病に倒れ、成り行きでその会社の経営も任されることになってしまいました。
「理工学部に通っていたので、理科系の研究者の道に進みたかったのですが(笑)。経営を始めたら、これがとにかく面白くて」
と、髙橋先生は当時を振り返ります。

その後も会社経営を続け、年間売上げ数十億円規模に。札幌から関西まで事業所を広げ、従業員200人を抱えるまでに成長させました。その会社を退くと、今度は新たな挑戦として、当時、時代の最先端で注目を浴びていた大手通信会社に転職します。
「そこでも、また社内起業をすることになり(笑)。創業も経営も、当意即妙。その場、その場で全力で考え、とにかく目の前の仕事をやりきる。そうやってきた結果でした」
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そんな先生に新たな目標ができたのは、30代も半ばに差し掛かった頃。
「会社経営をずっとしてきましたが、今までは無手勝流(むてかつりゅう)、いわば自分の流儀で突き進んできただけです。このあたりであらためて経営の理論を、体系的に学んでみたくなったのです」

こうして、大学院の門を叩いた先生は、昼間は社会人、夜は学生として、再びの二足のわらじを履く生活が始まりました。
「大学院で夢中になったのは、組織心理学者カール・E・ワイクのセンスメイキング理論。奥深くて非常に面白いのです。ワイクの著書は全部読みました」
そのまま博士課程まで進み、ビジネスマンから研究者へと生き方を変えたのです。
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「実践の知」を学生に楽しく届ける授業

さて、そんな髙橋先生が行う授業には大きな特長が2つあります。
1つは、実体験を含めた具体的な実例を豊富に紹介すること。もう1つは、授業中にノートにまとめる時間を必ずとることです。
「実際のビジネスで使える肌感覚の知識を伝えたあと、授業内容をノートにまとめてもらいます。この作業は、入ってきた知識を自分の頭で再構築することにつながるからです。授業なので限りはありますが、この作業で少しでも、理論と実践の融合ができればと考えています」

授業では、学生もよく知る企業を実例に挙げ、自分のビジネス経験も惜しみなく伝えています。学生からは「ニュースなどでよく聞く企業の実例がたくさん聞けるので、リアルに感じられる」「ノートにまとめると、自分の理解が深まると実感した」といった声が聞かれます。
そんな先生は、ご自身の授業を大好きなオペラにかけて「オペラ型授業」と称しています。
「教壇は舞台。学生は観客。目の覚めるような驚きと、発見がある楽しい学びを提供したい。練りに練った教材を用意して、声を枯らして、汗をかいてフラフラに倒れ込むまで1コマ105分間に、全力で挑んでいます」

学生が一人も目をそらさず、集中してくれている「これこそ、喜びの瞬間」と先生は笑顔になります。

「たった1つの事実の裏には、隠された物語が複数存在する――それがビジネスの世界です。物事を複眼的に見られるレンズを手に入れて、事実を如何様にも読み解けるようになってほしい」
先生は、今日も学生のため、授業プランの策定に試行錯誤をしています。
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経営の核心を教育者として伝え続ける

経営学は「経営戦略論と経営組織論に大別される」と先生は言います。
「戦略論は、他社との競争にいかに打ち勝つかという観点、つまり組織の外に向けて策略を考えます。一方、組織論は、組織の内部に目を向けます」
どうすれば社員のモチベーションがあがるのか?リーダーシップはどうあるべきか? どんな組織構造にしたら、効率よく仕事が進むのか?そして、どういう組織文化があれば成功するのか――。
「実は将棋が好きで、日本将棋連盟公認の将棋4段なんです。戦術や戦略を考えるのが好きで、ワクワクします。経営者として会社を動かしていた頃は、むしろ戦略論にばかりとらわれていたかもしれません。でも抜きんでる企業は、組織力こそ高い。そもそも経営者がどんなに素晴らしい戦略を生み出しても、組織がその戦略通りに動けなければ、無意味だからです」

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先生は「成功している会社は、強い組織文化を持っている」と指摘します。
「次々と新しいチャレンジをする企業や、斬新な商品・サービスを世に送り出す企業は、社員が企業の核(コア)となる部分を共有できているのです。そんな企業は、社員の個性が強く、各自が自由に独創性を発揮しているように見えても、決してバラバラな組織にはなりえません。組織論を知って活用できれば、会社はもっと強くなる」

先生の集大成ともいえる著書『経営組織認識論考』は、実践経営学会賞を受賞しています。
「授業でも扱う専門書です。内容は難解かもしれません。じっくり読んでまずは、議論して考えを深めましょう。そしてビジネスの現場に出たら、いよいよ本番。大学での学びを存分に活かしてください」
先生のその笑顔には、経営者としての自信と、教育者としての熱意がにじんでいました。

  経営学科   
<2025年09月25日 14時30分>
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