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清原 思香(KIYOHARA Moka)法学部 法律学科

 

 平成27年度 AUAPに参加 5か月間アメリカ・ウェスタンワシントン大学に留学
 平成29年度 AUEPに参加 約1年間中国(香港)・香港中文大学新亜書院に留学(留学先の合唱団で初の留学生団員として活躍)

 

  

 

AUEPでの目標は?

中国・香港の日本と異なる法慣習、国際ビジネスにおける実務的知識の習得、そして現地社会とアジア地域文化への深い理解という学習目標と、国際的な人脈形成、日本文化の発信・共有という生活目標を掲げ、留学生活に臨みました。

現地では、どのような授業を受けていましたか?

前期は”Chinese Languages, Culture and Language Learning”と”Japan in East Asia Politics”、そして ”Introductory Financial Accounting”という授業を履修しました。

Chinese Languages, Culture and Language Learningでは、言語学という観点から中国・香港の地域文化を学んだり、また各国の留学生とのディスカッションを通じ、国ごとの言語文化の違いを互いに共有しました。
Japan in East Asia Politicsの授業では、大使や国連日本代表を歴任した教授の下、東アジア地域の政治状況の中での日本の在り方について、現地学生や他の国・地域からの留学生と共に議論を行いました。私はクラスで唯一の日本人学生だったことから、常に日本人としての意見や考えを求められたため、自国の世界における立ち位置の在り方について今一度深く考え、アウトプットしていく機会になりました。最終のプレゼンテーションでは、中国の一帯一路政策に対する日本政府の在り方について提案しました。
Introductory Financial Accountingでは、ビジネスパーソンとして理解しておくべき財務会計の基礎を習得することができました。

後期には、前期履修することができなかった中国語(普通話)や、”Introduction of International Business”、 ”Globalization, Cultures and Societies”を履修しました。Putonghua Application of Vocabulary and Grammar I及びPutonghua Oral Skills Practice Iの履修により、中国語(普通話)の基礎を習得することができました。日本帰国後、就職活動が落ち着いてから、中国語の資格取得にチャレンジしました。
Introduction of International Businessでは、国際的なビジネス展開における戦略やフレームワークの基礎知識を習得し、グループプロジェクトやプレゼンによって、より実践的に学ぶことができました。民族多様性に富んだグループでのプロジェクトを通じて、意識や発想の違いによるワーク遂行の難しさとその中で意見をすり合わせていく術を、身をもって学ぶことができました。
Globalization, Cultures and Societiesでは、世界のグローバル化についてそれぞれの文化や社会の視点から、段階やプロセスの違いなど体系的に学びました。授業の発表では「寿司」を取り上げ、異なる食文化の受容について理論に基づき分析を行いました。

授業以外で力を入れて取り組んだことは?

課外活動として主に、大学合唱団への入団、香港・中国本土の学校でのボランティア活動、香港の日本人商工会での学生チームとしてのリサーチ活動、商工会でご縁をいただいた企業の海外法人事業のお手伝いの4つに取り組みました。

大学合唱団では初の留学生団員として、仲間に助けられながら広東語と英語での練習をこなし、2度の演奏会とホテルでのクリスマスパフォーマンス、台湾での演奏旅行を成し遂げました。大好きな合唱で現地コミュニティに飛び込んだことで、現地の生活や社会をより深く学ぶことができたばかりか、台湾の合唱団との交流も実現することができました。この経験を活かし、現在は日本の合唱団で香港・台湾との交流演奏会を企画しています。この活動で得た現地の人々の価値観や文化の知識は授業内での市場リサーチなどに大いに役立ち、改めて海外事業における現地社会の理解の重要性を感じました。

学校ボランティアでは、香港と広州の中学高校をそれぞれ訪問し、全校集会でのゲストトークや英語授業の担当を通じて、今や世界に広く受け入れられた、ポップカルチャーにとどまらない日本文化の魅力の発信、共有を行うことができました。

商工会学生チームでは「香港における日本企業参入リサーチプロジェクト」に配属され、香港政府の方針を探りながら、日本企業が参画できる分野を検討しました。リサーチの結果、香港で深刻化する少子高齢化を根拠にシルバー産業に焦点を当て、現地シルバー関連NGOを統括する香港社会服務聯会(HKCSS)や在香港日本領事館にヒアリングを行い、他の学生チームやライフコミュニケーション部会部会長、副部会長に向けて報告を行いました。このプロジェクトを通じ、香港の抱える社会問題や日本の各産業への知識を深められただけでなく、日本を牽引する企業で活躍される社会人の先輩方や、同じく香港に留学する他大学の学生との縁を築くことができました。

最後に、海外法人事業のお手伝いでは、企業代表のもとで、インバウンド関連や日本食産品の輸出拡大事業における、各企業・自治体とのタイアップ企画の立案に携わりました。代表との話し合いを重ね、現地市場のニーズと各企業のニーズを理解し、保有アセットを生かした企画をいくつも提案する、より実践的なビジネス思考を学ぶことができました。また、日本文化を発信する事業に実際に関わることで、大学入学前から思い描いてきた将来成し遂げたい事のビジョンがより明確になりました。

AUEPでの留学を総括すると?

1年間の留学生活を振り返り楽しかったことは、たくさんの人々との出会いと対話です。日本では出会うことができなかった多種多様な考えを持つ人々に出会い、彼らの価値観や文化観を1つ1つ対話によって紐解いていくことには、何ものにも代えがたい楽しさがありました。一方で苦しかったことは、英語による新分野の学習や、世界中から集まる優秀な学生と対等にやっていくための自己研鑽、日々追われるタスクのマネジメントでした。今まで法律分野の学びが主であったため、ビジネス分野などは新たに基礎知識を独学で学ばなければならず、講義が英語で行われることもあり、大変つらく感じました。また、大学の授業に加え課外活動にも参加したため、限られた時間をやり繰りして全てをこなしていくことは非常に困難でしたが、毎日優先順位を決めて取り組むことでタイムマネジメント力を養えただけでなく、とても充実した8か月の留学生活を送ることができました。

以上の留学中の活動を基に成果を統括すると、帰国後目標を上回るTOEICスコアを得点し、英語を更に磨き上げられたこと、そして商工会活動や海外事業のお手伝い、現地のボランティア活動や大学合唱団への入団を通じて、現地社会とアジア地域文化への深い理解や、国際的人脈の形成、国際ビジネスにおける実務的知識の習得という学習目標と、日本文化の発信・共有という生活目標を達成することができたと思います。

今回の留学で得た経験や培った知識を活かして、国際ビジネスにおける契約紛争をテーマに卒業研究をまとめ、卒業後は精密部品・電子デバイスメーカーの営業職として、日本の技術力とサービスによる国際社会への貢献に寄与したいと考えます。

留学後の成果~My Before After~

〈2019年7月23日更新〉