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インターナショナルセンター
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フリーキャスターをしていますが、英語を使う仕事をすると、その度に「AUAPに行って良かった」と思います。
例えば、ポール・マッカートニーの密着取材をした時のこと。取材後、放送で使ってはいけないといわれた箇所をどうにか放送したいディレクターが「ダメもとでいいから、コマちゃん英語で交渉してくれない?」と言い出し、帰りの新幹線の中から私が電話をすることに。翌朝のVTRのクオリティーが私の英語での交渉力に託された瞬間です。
ポールのマネージャーに丁重に取材させていただいたお礼を言った後、そのブロックがなぜ必要か、NGを出す理由には当てはまらないのではないか等、一生懸命話した結果、「使っても良い」と言ってもらえました。正直言って、私はきちんとしたビジネス英語を使いこなしている自信はありません。でも、AUAPに行って外国人に対して臆することなく話せるようになったというのはとても大きいと思います。
そもそも、私は亜大の国際関係学部しか受験していません。AUAPがあったからです。幼い頃洋楽に興味を持った私は、日本語の流行歌を口ずさむように洋楽も口ずさみたいと、英語の歌詞カードを見ながら、なんとなく発音を真似して歌っているような小学生でした。そこから英語を話したいという気持ちが強くなり、留学が必修科目という当時としては画期的な制度を採用していたこの学部を選んだのです。海外に一人で行かせるのは心配と言っていた両親も、学校のサポートがあるならと快く送り出してくれました。
AUAPでは予想以上に色々な経験をしました。
初めての寮生活。幸いルームメイトととても気が合い、彼女の家族にもお世話になりました。お母さんに運転を教えてもらって自動車免許を取ったり、サンフランシスコに住む親戚の家にホームステイさせてもらったり。サックスを持って行っていた私をコミュニティバンドに誘ってくれたのも彼女です。クラリネットを吹く彼女と一緒に地域の人たちと音楽を通して心を一つにしました。国境や人種を超えて温かく迎えてもらえたことはとても嬉しかったです。
今思えば、あの5ヶ月間は、豊かな経験が出来た、私にとってかけがえのない時間です。社会人になって特に思うのは、引き出しをたくさん持つことの大切さ。まとまった時間を作るのはなかなか難しいし、一回行って無理とはわかっているけれど、本当のことを言えば、もう一度参加したいくらいです。
※肩書は執筆当時のものです。
〈2014年4月1日更新〉