戻る卒業生からのメッセージ(李 潤天)

若月さん

李 潤天

LEE Yunchen

 

株式会社レアリゼ
NPO法人 日本サーバント・リーダーシップ協会

平成13(2001年)年度 国際関係学部卒

心がけていることは、自分の言葉で話すこと

現在働いているレアリゼは、企業の人材教育の研修や組織開発のコンサルティングを行う会社です。営業職として、企業の人事部の担当者の方とコンタクトしながら、社内での課題を踏まえたうえで、マネージャー研修や次世代リーダーの育成のプログラムを提案していきます。

心がけていることは、自分の言葉で話すことです。会社の立場や一般論で語るのではなく、あくまで自分の考えや経験を率直に話すようにしています。

実のところ研修ビジネス業界では大手企業もあるし、プログラムの基本的な内容はさほど変わりません。いかに自分たちの会社の提案を選んでもらえるか?やはり、自分という人間に関心を持っていただき、信頼を得ることが最善の方法ではないかと思います。相手に自分の考えを語るという姿勢は、学生時代のアメリカ留学で培ったものだと思いますね。

とにかく行動することを一番に考えていた留学中

僕は韓国で生まれ、10歳のときに父の仕事の関係で日本に来ました。国際関係学を学びたくて亜細亜大学に入学したのですが、留学が必修であるのを知ったのは入学してからです。

AUAPでイースタンワシントン大学に留学していた期間は、とにかく現地の学生と交流することを心がけました。僕はバスケットボールが大好きだから、ボールを持ってバスケットコートに行って友達を作りました。ひとりでいる学生がいれば声をかけました。躊躇せずに声をかけていけば、自分に興味を持ってくれて会話が生まれます。背景の異なる人々と付き合い、コミュニケーションすることで、世界のどこでも暮らしていけるという度胸はつきましたね。

バスケットボールや野球の試合を観に、長距離バスに乗ってシアトルにも行きました。インターネットで、試合のチケットを取り、ホテルを予約する。全部、自分でやりました。幼い頃からあこがれていた本場の試合には感動しました。プレイはもちろんですが、観客の楽しみ方が新鮮でした。みんな踊り、歌っている。自分の楽しみ方を知っていて、自発的に楽しんでいる。これがアメリカ流なんだと実感しました。

帰国後は積極的にキャンパスの外でも活動するようになりました。アメリカやメキシコへの1人旅もよく行きました。異国に1人で飛び込み、様々な人々や文化に接することで起きる想定外のことを楽しむようにしていました。そこで知らなかった現地のことや自分に気づきがありますからね。バイトで稼いだお金のほとんどは1人旅の費用につぎこんだと思います。

アメリカで感じた実力の差が、今の仕事と出会うきっかけに

大学卒業後は専門商社に入社しました。ただ、アメリカでスポーツビジネスの仕事をしたいという気持ちがあったので、数年で辞めて、インターンでアメリカに行くことを決意しました。1年間にわたりマイナーリーグ球団でインターンシップを経験しました。今思えば、思い切ったことをしましたが、アメリカでの留学を経験していたから行動に移せたのだと思います。

インターンシップを終えると、日本に帰国しました。アメリカのスポーツビジネスで働けるのは一握りのエリートです。正直、勝負にはならない。自分で新たにキャリアチェンジを考えたところ、企業の人材開発や組織開発にも興味を持っていることに気づき、現在の会社に出会いました。

留学は、自分を見つめる最良の機会

振り返ってみれば、アメリカ留学で得た一番の収穫は「自分は何者か?」を見つめることだったと思います。家族、バイト、クラブ活動といった日本の日常生活からこれほど長期間にわたって切り離される機会は、そうありません。それも、アメリカという自由な風土の国にいる。そして、言葉、経験、常識、価値観などが異なる人たちと交流しているうちに、自然と自分に焦点を当てるようになるのです。

自分の弱さや勉強不足、そして自分がいかに韓国や日本について知らないかを実感しました。その一方で、周りにとらわれず自由に行動していきたい自分がいることも自覚しましたね。自分から飛び込んでいけば、人との出会いの中で勉強できる自分がいることに気づいたのです。そういった気づきの積み重ねは後の自分の人生に大きく影響したと思います。

新しい環境に勇気を持って飛び込んで欲しい

亜細亜大学の後輩たちには、留学先で日本人の友達だけで固まらないで欲しいと思います。現在は、多様性の時代です。同じ価値観の仲間も大事ですが、限られた時期ですので、価値観の違う様々な人々とも積極的に接することが社会人になったあとに必ず役立ちます。また、より良い人生を過ごすには、自分自身を理解することが大切です。人生の目的、やりたい仕事、仕事で得たいこと、自分にとって大切な価値観。そういった問いかけを自分に向け、自身を見つめるには留学はとても良い道具です。仲の良い大学の友達から少し離れて、いつもとは違う環境に身を置けば、きっと自然に自分と向き合えるはずです。せっかくの留学の機会をフル活用するためにも、どうか仲間と群れずに行動してください。

 

※肩書は執筆当時のものです。

〈2017年4月1日更新〉