国際関係学科
2024.01.15
国際関係学科「国際ビジネス・プロジェクト」に宮田洋輔氏が登壇しました
1月12日、「国際ビジネス・プロジェクト」(横田俊之特任教授担当)に、株式会社ポリフレクト代表取締役の宮田洋輔氏が登壇しました。今回は、「観光公害(オーバーツーリズム)」がテーマで、学生たちが立案した課題解決案にご講評いただくとともに、ご自身の取り組みについてプレゼンしていただきました。以下、宮田氏のプレゼン概要についてご紹介します。
民間からルール作りを働きかけるベンチャーを起業
宮田氏は、経済産業省を経てYahoo!Japanで勤務していました。これまでの法律は、デジタルサービスを想定していないため、適切なルールが無いことが仕事の妨げになっていることを経験しました。こうした経験を活かして、2018年にYahoo!Japanを退職し、民間から政府や国会に働きかけ、一緒にルールを作っていくベンチャー企業「ポリフレクト」を設立しました。今回のテーマ「観光公害(オーバーツーリズム)」も宮田氏が取り組んでいる分野の一つとなります。
日本を支える観光産業発展の鍵
コロナ禍で減少していた訪日外国人数は、2023年半ばから徐々に回復し、2024年は、過去のピーク2019年の3188万人を超えると予想されています。現在、自動車産業が日本経済の柱ですが、将来、観光産業はこれを超えると言われています。うまく成長できるかどうかは、社会が訪日外国人を受け入れてくれるかどうかが鍵を握っています。
「観光公害(オーバーツーリズム)」とは
UNWTO(国連世界観光機関)は、オーバーツーリズムを「観光地やその観光地に暮らす住民の生活の質、及び/或いは訪れる旅行者の体験の質に対して、観光が過度に与えるネガティブな影響」と定義しています。
代表的なものとして交通混雑が挙げられます。京都などの観光都市では、地元住民と観光客が公共交通機関に乗る際の混雑解消が大きな社会問題になっています。また、ゴミのポイ捨てなどマナー違反の問題も深刻です。ポイ捨てが当たり前の海外から来た訪日外国人との文化の違いが引き起こした問題と言えます。
代表的なものとして交通混雑が挙げられます。京都などの観光都市では、地元住民と観光客が公共交通機関に乗る際の混雑解消が大きな社会問題になっています。また、ゴミのポイ捨てなどマナー違反の問題も深刻です。ポイ捨てが当たり前の海外から来た訪日外国人との文化の違いが引き起こした問題と言えます。
観光公害は日本全体の問題に
そして、この問題は一部の観光都市のみならず、全国各地に広がっています。これは、旅行先を東京、京都、大阪といった都市から選ぶのではなく、ネットに掲載されている写真などをみて、滞在時の体験から旅行先を選ぶという行動が増えつつあることが原因です。この結果、これまで観光地と認識されていなかった地域を訪れる訪日外国人が増えつつあります。
観光地経営の重要性
観光地を経営する上で、本来どのような客層にどんなサービスを提供するかを考えなければなりません。残念ながら、日本ではマーケティングとターゲティングが不十分なまま、訪日外国人を増やす政策を展開してきました。この結果、地域住民の不満を引き起こすだけでなく、訪日外国人の満足度も低下させかねません。ところが、観光地経営のプロ人材は日本ではほぼいない状態と言われています。観光地経営を行っていくためには、自らの地域の価値を見極めることが重要ですが、地域住民は地元の価値に気づきにくい傾向にあります。外国人など客観的に地域の価値を評価できる人材の活用も含めて、観光地経営ができる人材育成が、オーバーツーリズムという社会課題解決のために急務となっています。
文責:横田俊之(科目担当教員)
<2024年01月15日 16時30分>
