戻る平成30年度 経済社会研究所研究会を開催(12/5)

平成30年度 経済社会研究所研究会

経済社会研究所の研究会が以下の日程で開催されます。
加藤 政仁本学経済学部講師と小林 剛元本学経済学部特任教授が以下のとおり発表します。
事前予約は不要のため、聴講希望者は直接会場へお越しください。

▽日時
2018年12月5日(水) 16時10分~18時20分

▽会場
亜細亜大学1号館 14階 第7会議室
 

【16時10分~】
加藤 政仁 亜細亜大学経済学部講師
Analyst Recommendation Bias in Financial Conglomerate
▼概要
 本研究は,金融コングロマリットの一構成員あるセルサイド・アナリストについて,銀行と企業の間で生じる利害関係がセルサイド・アナリスト投資推奨の作成に及ぼす影響を実証的な側面から検証した。検証の結果,①銀行が貸付を行う企業を対象としたセルサイド・アナリストの投資推奨は,コンセンサス投資推奨と比べて,“買い寄り”の内容であること,② 「①の結果」は,対象企業の推定デフォルトリスクが高いときに顕著にみられること,③“買い寄り”の投資推奨が公表される企業の株価パフォーマンスは低調であることがわかった。これらの結果は,銀行と企業の間で生じる利害関係は,セルサイド・アナリストの投資推奨に楽観性バイアスをもたらし,セルサイド・アナリストが職務を遂行する上で求められる公正性を損なう要因となることを示唆するものであった。

【17時20分~】
小林 剛 元亜細亜大学経済学部特任教授
租税回避と英国の一般的租税回避対処法
▼概要 
 租税回避とは何か、「租税回避は適法行為である。」との説明がある一方、「租税回避は違法な法律行為である。」との主張もある。多くの主要国では、租税回避に対する一般的否認法が制定されており、租税回避に対し、重い罰則金を課している国もあるが、我が国では、租税回避適法論が主流であり、一般的否認法を制定するような動きも見られない。訴訟においても、租税回避を是認する判決と、否認する判決に分かれており、最近ではむしろ、武富士事件、IBM事件と是認する大型判決が続いている。 本資料作成者としては、租税回避とは、「事後的に具体的意味が判明するようにみえる租税法上の用語を濫用することによる税の軽減回避行為」と言えるのではないかと考えている。 納税者の行う全ての具体的な行為に対応した租税法を作成することは不可能である。法律規定は有限であり、租税法律主義の要請があるとしても、納税者が行う全ての行為に関し規定設けることはできない。また、通常の場合、租税法の立法者は、多様な納税者の行為等を想定して、租税法を立案しているであろうが、納税者による想定外の行為があった場合に、それへの具体的対応規定を欠いたように見える場合がありうる(こうした場合、法律全体の構成に基づき租税法の解釈が行われ、事案は適切に処理されることになる)。そうしたことから生じうる事後的に判明するように見える租税法上の規定の曖昧さ又は弱点を濫用して税の非課税又は軽減を主張することが、租税回避行為である。 本資料は、第1部においては、我が国の主要租税回避事件において、税の回避を主張する納税者が、如何なる行為を行って、税の非課税或いは軽減を如何に主張してきたのかを、主要判決を参考に説明し、租税回避行為の実態を説明しようとしている。 また、第2部では、英国の一般的租税回避対処法の導入の契機となったアーロンソン報告及び同法の内容を紹介することにより、英国における一般的租税回避法の制定の経緯及び同法の具体的内容等を紹介している。
<2018年12月03日 18時36分>