開設都市創造学部都市創造学科
科目ナンバーUA313
講義コード1UE001200
講義名サブカルチャー論
担当者名サイトウ・アキヒロ
開講情報後期 火曜日 1時限 523教室
単位数2
受講可能学部U
備考実務経験のある教員による授業科目である。


科目の趣旨サブカルチャーの実態を検討し、サブカルチャーとメインストリームカルチャーの関係を論ずる科目。サブカルチャーは元来、民族や階級に根差したメインストリームカルチャーには無い文化的特性を指す。サブカルチャーを受け入れる人々の増大は、サブカルチャーのメインストリーム化を意味し、そうした意味でサブカルチャーはメインストリームカルチャーの先駆的な生活様式ともいえる。特に日本においてサブカルチャーは、マンガやアニメ、ゲームなどに代表されるエンターテインメントによって語られる部分が大きく、これらのコンテンツが普及しメインストリーム化していくことで変容する文化の様相を、我が国のみならず、アジアの文脈で検討する。
授業の内容
都市に常に流れているジャズ。
ジャズは奴隷制度であった黒人の土着音楽と西洋音楽がミックスしてできた音楽で、西洋クラシックのメインカルチャーに対してのカウンターとして誕生し、黒人のアイデンティティーと密接に関係があることから、サブカルチャーであることを運命づけられた音楽でもある。
これらの歴史的事実とジャズとの関連を理解ししつつ、ブルーノートスケールといった音楽理論も使いながらジャズという音楽の本質にせまり、ジャズから派生したブルースやR&Bが、やがてロックンロール誕生につながる経緯も学習。
その音楽成立の根幹である奴隷制度から南北戦争にはじまり、公民権運動からベトナム反戦などの民族問題、国際間紛争も解説、現在中国共産党がウィグル人に行っている思想弾圧や不法臓器移植といった問題も並行して取り上げる。
科目の到達目標
(理解のレベル)
ジャズの発生経緯、その発展の過程、他の音楽への影響やミクスチャーによる変容。これらを理解するとともに、ジャズを聞く楽しみまで理解する。
同時にこれら音楽に深く関与している人種問題、国際感紛争、民族弾圧についても考察を深めていく。
授業方法
講義を中心とした座学形式

講義の最後に座学に関連したレポート課題を出すので、各自レポート提出が必須
授業計画
【第1回】
・ 講義の全体概要の説明

【第2回】
・ ニューオリンズでジャズが生まれるまで

【第3回】
・ ジャズの成立
  ルイ・アームストロングによるアドリブという演奏方法の確率
  コード進行とは

【第4回】
・ ジャズの拡散
  禁酒法とコットンクラブの登場で、スウィングとしてメインカルチャーとなる経緯

【第5回】
・ ビバップ
  チャーリー・パーカーが確立したコード進行によるアドリフの定義確立
  スウィングでメインカルチャー化したジャズのサブカルチャーへの転向

【第6回】
・ R&Bとブルース
  ジャズから派生したシカゴ・ブルースとリズム・アンド・ブルースの誕生

【第7回】
・ ハードバップ誕生
  ビバップから進展したモダンジャズの成立過程

【第8回】
・ クール・ジャズ
  黒人のハードバップを白人が取り組み発生したクール・ジャズ
  ジャズとブラジル音楽とミクスチャーしたボサノバ

【第9回】
・ ロックンロール
  エルビス・プレスリーによるロックンロールのスタート
  若者文化というサブカルチャーの成立

【第10回】
・ モード・ジャズ
  コード進行によるマンネリを打破するモード・ジャズ
  コード(和音)からモード(旋法)への移行

【第11回】
・ ロックンロール2
  ビートルズがもたらした音楽産業革命

【第12回】
・ 公民権運動とフリー ・ジャズ
  中国によるウィグル民族弾圧と不法臓器移植

【第13回】
・ ジャズとロックを通してみたサブカルチャーの総論
・ 新宿という都市が、音楽、演劇、映画、ファッション、アート、漫画
  といった日本のサブカルチャー発信地であった1970年代をテーマにサブカルチャー論の総論
事前・事後学修
各講義後にテーマとなる曲を提示するので、その曲に対しての感想を次の講義で答えられるようになっていること
成績評価方法・基準
平常の授業への取り組みと、受講態度(講義前の事前質問)、提示された課題の次回授業までの事前取り組みへの実践で70%、授業終盤に提出するレポート30%
教科書・指定図書
なし
履修上の留意点
音楽全般に興味のあること
ジャズという音楽の聴き方、活用のしかたに興味のあること
更新日2020/3/23