体験者の声・留学成果(AUCP)

AUCP
Asia University China Program

大連留学体験記

2018年度

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海外で働くという難しさ
平岡 七海/ HIRAOKA Nanami (経営学部 経営学科)
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氷点下の日が続く大連からお届けしております、夢カレ留学体験記。大連外国語大学での約4カ月間の語学研修を終え、12月18日から大連市内および開発区の企業で5週間のインターンシップが始まりました。今回は、瑞穂銀行(中国)有限公司大連支店でのインターンシップをとおして感じたことを紹介します。

銀行というと私たち個人がお金を預けたり、引き出したり、振り込んだりするイメージがありますが、銀行は会社などの法人にもサービスを提供しています。私がインターンシップをさせていただいた瑞穂銀行(中国)有限公司大連支店は、法人向けサービスだけを扱う銀行です。ここでの実習内容は、行員の出勤・退勤時間のチェックや行員への資料配布、郵送物の発送準備、窓口業務などです。人事総務課の一員としてインターンシップをする中で「海外で働く難しさ」を感じました。人事総務課の行員14人は全員中国人でそのうち日本語を話せる行員は2人しかおらず、全ての仕事が中国語で行われています。そのため、私も業務を教えていただく際、ほとんどが中国語です。インターンシップ当初、私は、間違えや通じないことを恐れて躊躇することが多くありました。しかし、伝えようとすれば多少間違っていても相手は理解してくれるということに気づき、少しずつ中国語でコミュニケーションが取れるようになりました。

留学前、私は夢カレッジで身につけた中国語の語学力を生かして将来は海外で働きたいと考えていました。しかし、留学に来て、企業講義やインターンシップをする中で「語学力はツールであり、本当に大切なものはビジネススキルである」ということに気づきました。語学はできるに越したことはありませんが、語学力だけでは足りないと思います。今回のインターンシップを通して、海外の日系企業で働くことのイメージをつかめたので、今後は具体的に海外で何をしたいのかを考えていきたいと思います。
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中国のキャッシュレス社会

平岡 七海/ HIRAOKA Nanami (経営学部 経営学科)
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緑豊かな自然ときれいな星空に包まれた大連からお届けしております。新しい生活への期待と不安でいっぱいだった9月2日の出発日から、早くも2カ月が経ちました。大連の人の温かさや中国人ルームメイトの優しさに支えられながら、今では中国語や中国文化に囲まれた生活にも慣れ、私たち夢カレ14期生は元気に毎日充実した日々を送っています。そんな中国からお伝えしている夢カレ体験記。今回は、私が留学生活を送る中で感じた日本と中国の違いを紹介します。

私が留学生活を送る中でいちばん驚いたことは、キャッシュレス社会が進んでいることです。日本でもApple PayやLine Payなどがありますが、それらを使って支払いをする人はごくわずか、まだ普及していないでしょう。しかし、中国では、店舗での支払いの際に、アリペイ(支付宝)やWechat Payなどスマートフォンを使ってのQRコード決済が主流となっており、私のルームメイトは出かける際もお財布を持たないと言います。規模の小さな個人商店や屋台をはじめ、スーパーやコンビニ、飲食店、タクシー、バス、シェア自転車などでもQRコードを利用することで簡単に支払いができます。実際に私たちも大連にきてすぐにQRコード決済を使って買い物をしています。留学前に、「中国では、QRコード決済を使っての支払いが主流である」と耳にしてはいたものの、ここまで進んでいると思っていませんでした。しかし、便利である一方で、セキュリティーへの不安視やお金を使う実感がないのでどのくらい使ったか分からなくなるといった問題点も含まれているといいます。

2020年の東京オリンピックに向けて日本国内でもQRコード決済システムが普及していけば、外国人観光客にとってより便利になるのではないでしょうか。

2017年度

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仕事で学んだ笑顔の力
豊岡 花海/ TOYOOKA Hanami (国際関係学部 多文化コミュニケーション学科)
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空と海とイルミネーションが輝く美しい冬の大連からお届けしております、夢カレ留学体験記。私たち13期生6人は、12月18日からそれぞれのインターンシップ先へ向かい、帰国まで早くも残り2週間となりました。今回は、私のインターンシップ先である大連スイッシュホテルで私が学んだことをご紹介しようと思います。

スイッシュホテルでのインターンシップは、ビュッフェレストランのウェイトレス、客室清掃、日本語ゲストサービスや宴会ホールスタッフなどを行ってきました。中国人のお客さまからは方言混じりの中国語や早口で質問を受け、日本人のお客さまからは「同じ日本人だ!」という期待の眼差しで話しかけられます。どちらも大きなプレッシャーで、はじめの勤務時には話しかけられると緊張のあまり険しい顔つきで対応してしまい、質問されたら慌ててしまう落ち着かないスタッフでした。しかし慣れてくると過度な緊張もとけ、笑顔でお客さまと接するようになりました。

そこで感じたのは、「私が笑顔でいると、お客さまの表情も柔らかくなる」ということです。中国語に手間取っても、笑顔で真剣に対応すれば中国人のお客さまも笑顔になってくれます。フロントへ来る日本人のお客さまは、言葉が分からない上に、あまり表情の変化がない中国人スタッフを目の前に不安で固まってしまっていることがよくあります。そんな不安でいっぱいなお客さまとフロントとの間で通訳としてお手伝いする際には、お客さまには事細かに通訳し、笑顔で「大丈夫ですよ」と一言添えて手続きをしていくと、硬かった表情はだんだんほっとしたようにほころびます。そこで私は、中国語が分かって日本語が話せるということだけではなく、「明るい笑顔と寄り添う気持ちこそがお客さまに安心感を抱かせることができる一番の理由ではないか」と思うようになりました。もしも反対に、私も自信がなさそうにおどおどと笑顔のない接し方をしたらどうでしょう。お客さまはきっとより不安になってしまいます。常に笑顔なおもてなしサービス先進国日本ではあたりまえすぎて気づかなかった、笑顔の大きな力。笑顔とは言葉よりも大切で簡単なコミュニケーションの一つなのではないでしょうか。
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近しい中国式交友
豊岡 花海/ TOYOOKA Hanami (国際関係学部 多文化コミュニケーション学科)
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澄んだ空の下、豊かな自然に囲まれた大連からお届けする夢カレ留学体験記。みな心待ちにしていた大連留学に期待いっぱいで出発した8月28日から、早くも2カ月が過ぎました。何にでも興味津々で発見と驚きに毎度感嘆の声を上げていた私たち13期生ですが、今では中国語と中国文化に囲まれた生活にも慣れ、毎日充実した暮らしをしています。

私たち13期生6人は全員女子学生のため、今回は私の見た中国の女性同士の友情についてご紹介しようと思います。
日本では街中で手をつなぐ人々を見かけたとき、どんな人たちがあげられるでしょう?親子や幼い兄弟、恋人などではないでしょうか。ところが、中国の街中は、手をつなぐ人々のほか、肩や腕を組んで歩いているのは、恋人のほかには女性同士ばかり。日本でそんな2人組を見かけたら、珍しくてついつい目で追ってしまうかもしれません。しかし、中国では街中でも路上でも学校の廊下でも、毎日そんな女友達を見かけます。

私たちの中国人ルームメイトたちも一緒に暮らすうちに仲良くなり、最近では当たり前のように出かけるときは腕を組んで歩きます。彼女たちにとって仲のいい友達は手をつないだり、腕を組むのが当たり前なのです。「なぜあなたたちはいつも仲が良さそうなのに離れて歩くの?」日本人同士で談笑しながら歩いていても、こう疑問に思われてしまいます。

中国人の近い距離感は体だけでなく心も例外ではありません。一緒に暮らすなかで、お世話好きな中国人ルームメイトは、いつも私を気にかけてくれます。「果物買ったから食べてね」「今日は寒いから厚着して」など、まるで母親のように身の回りのことを気にかけてくれます。いつも身近にいて、私を見てくれる中国の友人は頼りになり心もつい甘えて寄りかかってしまうような存在です。

日本で友人同士が腕を組むのは少し気恥ずかしいと思います。しかし、くっつくと案外落ち着くものです。大切な友人と思い切って腕を組んでみれば、心の距離もより近くなるかもしれません。

2016年度

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言葉を表情や行動でカバー
多田 恵里花/ TADA Erika (経済学部 経済学科)
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氷点下の寒い日々が続く中国・大連からお届けしております。今回は海外インターンシップをとおして感じたことをお話しさせていただきます。

私のインターンシップ先は、大連市内にある五つ星ホテル「スイッシュホテル大連」です。ここではフロントと日本人のお客さまへの日本語ゲストサービスをメインに、洋食レストランや大規模なパーティーのスタッフ、ハウスキーピング(客室の清掃)など、ひととおりの仕事を体験しました。お客さまから見れば、私が日本人であろうが、インターンシップ生であろうが関係なく、そこにいる以上、一人のプロの従業員として見られます。ネイティブスピードで容赦なく質問されることや、日本人のお客さまに通訳を頼まれることは日常茶飯事です。しかし、日本語を話せるスタッフが私1人という状況になると、簡単に投げ出すことは出来ません。

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このように「言葉で困った時にどうするか」、これはインターンシップが始まり、一番初めの課題でした。しかし、何度も同じような状況を経験することで「語学力が足りなくても、態度や行動でお客さまに気持ちは伝わる」ということに気づきました。例えば、お客さまが迷われた時、行き先の説明が難しいのであれば、そこまで案内することはできます。そのように「言葉が足りない分、表情や態度、行動でカバーをしよう」。そう考えるようになりました。

それからは、お客さまから今まで以上に喜んでいただける機会が増えました。それまで「中国人のお 客さまから話しかけられたらどうしよう」、「日本人から通訳を頼まれたらどうしよう」と、不安でいっぱいだった私も、今では自信を持って仕事ができるようになりました。

この海外インターンシップをとおして、「海外で働く・異国のお客さまと接する」ことについて、以前よりもイメージがつかめたような気がします。皆さんも自分の欠点を見つけた時は、まず自分の長所を考えてみると良いかもしれません。どれも100点を取ることは出来なくても、得意なことや好きなことを伸ばす、生かすということはできるのではないでしょうか。気づいた時にそれは自分のとがった強みになっているかもしれません。
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温かさ感じる中国の親戚関係
多田 恵里花/ TADA Erika (経済学部 経済学科)
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緑豊かな自然ときれいな星空に包まれた大連からお届けしております。
期待と不安でいっぱいだった8月?日の出発日から、早くも2カ月以上が経ちました。大連の人の温かさや中国人ルームメイトの優しさ、さらにさまざまな国の留学生から多くの刺激を受けながら、私たち夢カレ?期生は元気よく、そして充実した日々を送っています。そんな中国からお伝えしている夢カレ体験記。今回は私が身をもって感じた日本と中国の違いを紹介します。

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中国では、毎年10月1日から1週間ほど国慶節という休日があります。これは、中国の建国記念日です。ある人は故郷に帰り、ある人は旅行に出かけ、それぞれ思い思いの休日を過ごしたことと思います。そんな国慶節、私たちは何をしたかというと、夢カレ同期生の故郷である、ハルピンに行きました。ここは西洋の建造物が立ち並び、冬は氷祭りで有名です。

ハルピンに着くと同期の親戚総出で迎えに来てくれ、さまざまな観光スポットを案内してくれました。さらに、朝は手作り餃子を、夜はおいしい中華料理をテーブルいっぱいに並べてご馳走してくれ、一緒に笑いながら食事ができることにうれしさを感じました。今回の旅行を思い返してみると、代わる代わる私たちをもてなしてくれた同期の親戚はなんと11人にも上り、母方の親戚も父方の親戚も関係なく同じテーブルを囲み食事をしました。どこがどうつながっているのか一見分からないほど仲良く、深い中国の親戚関係にとても温かさを感じました。思い返してみると私たちの中国人ルームメイトたちもよく親戚と連絡していますが相手は毎回違う人のようです。

対して日本はどうでしょう?母方と父方の親戚が一緒に何かをすることはめったに見られない光景ではないでしょうか。私が祖父祖母、おじおば、いとことよく会うというだけでも比較的親戚が広く深いと言われます。今回、同期の故郷を訪れることで日常では気づくことのできなかった、中国の親戚の広さと深さを、身をもって感じました。多くの親戚とつながりのある中国はとても温かく、とてもうらやましいですね。

2015年度

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学びも仕事も人との関わり
羅 彗誠 / NA Hyesung (法学部 法律学科)
前回に引き続き、街のイルミネーションと雪の結晶が幻想的な冬の大連からお届けします、夢カレ留学体験記。
8月31日にスタートした大連外国語大学での生活は、あっと言う間に過ぎ、私達の留学生活もインターンシップを含めて残りあと1カ月になりました。
 
大連外国語大学で出会えた友達は、もし私達が留学を決意していなかったら出会えなかった大切な仲間です。そんな仲間たちに、実はすごく助けられていた、と気付く頃には、彼らとの別れはもうそこまで来ていて、さまざまな思いがこみ上げました。しかし、彼らと共に過ごした日々が、またどこかで彼らに会わせてくれると信じ、私達は12月14日、それぞれのインターンシップ先へと向かいました。

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私のインターンシップ先は、大連市内にある弁護士事務所です。事務所での私の主な仕事は、顧客相談への同席、中文契約書の日本語訳などですが、さまざまな中国語や大学の授業では教わらない実務的な法律との出会いに日々刺激を受けながら、「働くとは何か」という問題と向き合って実習をしています。

そんな毎日を送る途中で私が気づいたことは、働くことの中心にはいつも「人々の暮らし」や「人間関係」があるということです。このことに気づいた上で改めて法律を見てみると、法律とは、先代が気付いた人間関係を上手くやっていくためのルールであり、トラブルが起きた時にいちばんうまく解決する方法なのだと思いました。

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しかし、完璧な人間がいないように、このテキストもまた完璧なものではありません。だからこそ弁護士という仕事があります。この法律というテキストを利用して人間関係を上手く整理しているのが、彼らの仕事なのではないのでしょうか。この世の中に「お金をたくさん稼いでやろう」と考えて生まれてくる仕事はありません。この世の中の仕事は全部「こんなものがあったら、こんな人がいたら、人々の生活が、世界が、ちょっと幸せになるかも」という考えから生まれるものです。そしてその考えの裏側にはいつも人の姿があります。「遠くにいる家族の声が聴きたい」と誰かが思ったから手紙があり、郵便局があり、電話があるように、人の思いから生まれた仕事こそがやりがいのある仕事なのだと思いました。

ほんの少しかもしれませんが、この海外インターンシップを通じて「働く」というイメージをつかめたような気がします。皆さんも、就活や日々の生活につまずいてしまった時は、もう一度原点に戻ってその核となる考えを見つけると、今まで考え着かなかったものが突然浮かび上がるかもしれません。その時にまた一歩成長している自分に出会えるのではないのでしょうか。
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心温まる一日「教師の日」
羅 彗誠 / NA Hyesung (法学部 法律学科)
朝は海、夜には星空が目の前に広がる大連からお届けします、夢カレ留学体験記。8月31日に多くの方々に見送られ、大連外国語大学で生活を始めてから、早くも2か月が経過しました。最初は大学の大きさ、食べ物の美味しさ、人々の優しさなど、何にでも驚き、感動していた私たち夢カレ期生はすっかりここの生活に慣れてきています。
 
留学生活も2週間ほど経ったある日、私はある人に質問をされました。「日本になくて、中国にあるものはなんですか?」「日本に持ち帰りたい『Made in China』はありますか?」と。そこで私がいちばんに思いついた「Made in China」をご紹介します。

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みなさん、9月10日はどのように過ごしましたか?誰かにとっては何となく過ぎた一日、また誰かにとってはかけがえのない一日となったのではないのでしょうか。私たちのいる中国の9月10日は少し照れくさいけれど、心がほんわかした一日となりました。それは、「教师节(jiao shi jie)」のお陰です。日本語に訳すと「教師の日」。この「教师节」とは、日本にはないイベントの一つで、先生方へいつもの感謝と尊敬を表す日です。この日に近くなると、大学内は少し慌ただしくな
ります。クラスメイトたちは、寮やテラスに集まり、いつもお世話になっている先生方にそれぞれの思いを伝えるために、知恵を出し合いサプライズを用意します。お金を出し合い、先生と一緒に食事に出かけたり、思い出がたくさん詰まった写真でアルバムを徹夜で作ったり、いつもより色とりどりにアレンジされたお花が置かれているお花屋さんへ出向き、真剣に花束を選んだり、日本では見られない光景に少し驚き、「ありがとう」は言葉が通じなくても世界共通なのだと感じました。

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私たち夢カレ11期生も日本の亜細亜大学の夢カレッジ生と中国の大連外国語大学の日本語学部生をめぐり合わせるためにさまざまな場面で力になってくださった方々に感謝をするという意味で、大連外国語大学で私たちのお世話をしていただいている谢老师(謝先生)にお花とプレゼントと笑顔で「祝老师节日快乐(先生の日おめでとうございます)」を伝えました。

たくさんの知識と経験で私たちが進む道が分からなくなってしまったとき、羅針盤のように道を教えてくださる先生方。いつも恥ずかしくて言えない先生方への感謝と尊敬をこのような日の力を借りて伝えるのも素敵なことだと思います。

皆さんもぜひお世話になっている先生方に感謝を表してみるのはいかがでしょうか。きっと心がほんわかする一日となるはずです。

2014年度

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客観的な見方を大切に
柴田 鴻子 / SHIBATA Koko (国際関係学部 多文化コミュニケーション学科)
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最高気温でさえ氷点下…という寒い日が続いている大連からお送りしております。時折汚染の影響で空が霞んだ日もありますが、ある日なんと流れ星を見ることができました。何か良いことが起きるかな?

私は留学最後の1カ月間、在大連領事事務所でインターンシップをさせていただきました。ここでは、ビザの発行や在留届の受け付けなどの、各種行政サービスを行うほかに、中国の方に日本のことを知ってもらうため、そして日本人と中国人が触れ合う機会を作るためのイベントを企画し開催するという広報文化事業も行っています。今回、私はこの広報文化班の一員としてイベントの企画や運営を担いました。また、中国の現状を日本の外務省へ伝えるために、現地の新聞を翻訳し要約するという作業も行いました。

大連に長期滞在する日本人は約6000人、進出企業は2000社以上と言われており、日本語能力試験の受検者数は上海に次いで2位…という大連は歴史的にも経済的にも日本と馴染みの深い都市です。そのためか、現地の新聞で日本関連の記事を見かけない日はほとんどありません。

新聞の翻訳は思った以上に困難でした。普段から新聞を読んでいなかった私は、どんな言葉の言い回しが適当であるか、なかなか思い浮かびません。また、経済や法律の知識が乏しいため、新聞の内容を理解するのにも一苦労です。これまで、いかにネット媒体に頼った生活をしていたかということを改めて痛感しました。

日本関連の記事をピックアップしているうちに、気が付いたことがあります。それは、同じテーマの記事でも、日本と中国ではその報道の仕方に違いがあるということです。もちろん、互いに自国の目線に立って報道しているため、内容や主張が少しずつ違ってくることは仕方ないでしょう。しかし、果たして一方からの目線だけで物事を判断して良いのでしょうか。相手の立場に立ってもう一度物事を見直すことで、客観的に判断できるのではないでしょうか。

留学生活をとおして中国・海外から日本を見ることで、日本のことを客観視することができ、今までにない新たな考えを持つことが出来るようになりました。

では最後に。皆さん、本紙前号の留学体験記の最後にクイズを出したのを覚えているでしょうか。中国で見かけた漫画『進撃の巨人』の劇中で主人公が放つ「駆逐してやる」というせりふは、中国語でなんと訳されているかという問題でした。漢字四文字です。正解は、「徹底消失」でした。分かった方、いらっしゃるでしょうか。日本が世界に誇るアニメや漫画は中国でも大人気です。同じ作品でも外国語版で見ると、勉強にもなるためオススメです。
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”餃子にライス”は日本の食文化
柴田 鴻子 / SHIBATA Koko (国際関係学部 多文化コミュニケーション学科)
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青空と星空に包まれた、大連市・旅順からお届けしております。

皆さん、中国についてどのような印象をお持ちでしょうか。留学先である中国・大連の第一印象は、土地の広大さ、空のきれいさ、そして現地の人の温かさです。環境問題を危惧する方もいるでしょう。幸い、昼には青空が、先日の夜はきれいな月を見ることができました。店員の態度が悪いのではとの印象を持つ方もいるでしょう。いいえ、大丈夫です。こちらが笑顔で「謝謝。(有難う)」と言えば、笑顔で返事が返ってきます。特におじさん、おばさん。祖父母の家へ帰省したかのような温もりです。そんな中国からお伝えしている夢カレ留学体験記。こちちらへ来てから既に4カ月が経ち、すっかり中国にも慣れました。今回は、私がこちらへ来た当初、衝撃を受けた中国の文化を紹介します。

レストランでの出来事です。名物である餃子、そして餃子のお供にご飯を注文しました。餃子はすぐに出てきましたが、なかなかご飯が出てきません。餃子と一緒にご飯を食べるのがおいしいのに…と思い、ご飯が出るのを待っていて餃子が冷めてしまうという事がありました。また他の店でも「ご飯を先に持ってきて」と念を押さなければ、なかなか出てきません。これは、日本人と中国人の考え方の違いが原因のようです。中国では日本のように餃子と白飯を一緒に食べないようです。餃子は餃子だけで食べ、ご飯と食べることはありません。

また、日本ではラーメンのお供に餃子を頼むということは一般的ですが、中国ではその考え方がなく、「なぜラーメンを食べるのに餃子も食べるの?」と不思議がられます。ですからきっと店員さんも、餃子と共に白米を注文した私たちを不思議がっていたのでしょう。同じ料理でも食べ方に違いがあるのは面白いですね。

では、最後にクイズです。日本が世界に誇る文化である漫画からの出題です。日本で人気を集め衝撃を与えた、漫画「進撃の巨人」。中国でも、翻訳されている『進撃の巨人』があるのを発見しました。劇中で主人公が放つ「駆逐してやる!」
というせりふを聞いたことがある人は多いでしょう。では、中国語でこの言葉は、なんと訳されているでしょうか。

ヒントは漢字四文字です。特別にもう一つヒントです。答えは「○底○失」です。空欄に入るのは〝駆逐〟という漢字ではありません。答えは次回の大連留学体験記「客観的な見方を大切に」をご覧ください。お楽しみに!
〈2023年7月20日更新〉
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