学長挨拶

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永綱 憲悟
楽しくなければ大学じゃない。
大学を楽しくするのは、実は、
自分自身である
永綱 憲悟 NAGATSUNA Kengo
亜細亜大学 学長

ようこそ、亜細亜大学へ。

さて皆さんは、本学にどのようなイメージを持っておられますか。国際交流が盛ん、野球が強い、等々でしょうか。これらは間違いではありません。しかし、本学には、もっと深く、多面的な姿があります。そのいくつかをここでご紹介したいと思います。

第一に亜細亜大学には、建学80年(2021年時点)の歴史があります。1941年に、東アジア地域で活躍できる「有能ノ青年人材」を育成するために開設された興亜専門学校がその歴史の始まりです。興亜専門学校は、戦後、日本経済短期大学への転換を経て、1955年に亜細亜大学開設へと至ります。この時、太田耕造初代学長によって建学の精神として打ち出されたのが「自助協力」であり、その精神は今日まで受け継がれています。私は2021年10月1日、太田学長から数えて12代目の学長に就任いたしました。

さて、歴史の話に戻り、本学の国際交流の隆盛も歴史の中で築きあげられたということをお伝えしたいと思います。節目となる出来事を二つあげます。一つ目は1954年に、前身校日本経済短期大学が中国香港から96名の留学生を受け入れたという出来事です。戦後日本で初めて大勢の留学生を受け入れるという一大事業であり、当時の関係者の東奔西走や地元武蔵境商店街の歓迎ぶりが記録に残されています。

もう一つが1988年、当時の衞藤瀋吉学長のイニシャチブにより、アメリカ留学パイロット・プログラムで60名の学生を5か月間派遣したという出来事です。それまでの、限られた一部の人の留学という観念を根底から覆し、一定の能力と自立精神があれば誰でもアメリカで学べるという、新たな留学モデルがここに誕生しました。この5か月間のアメリカ留学への参加者は年々増加し、現在までに累計1万4000名を超える留学体験者を生むに至りました。

こうした国際交流上の新企画への挑戦は、その後、アジア夢カレッジ(キャリア開発中国プログラム)、各学部での海外インターンシップ派遣、そしてマレーシアでの英語学習プログラム開設へと引き継がれていきます。当然ながら、どの試みにも、その実現のうえでは、様々の障害やリスクが予想されました。しかし、リスクがあるから止めるのではなく、そのリスクを少なくする多様な方策をとることにより、画期的なプログラムを実現して来たのが本学の歴史です。その伝統の上に今日の本学の国際交流の隆盛があることをご理解いただければと思います。

第二に本学には、野球のみならず、多様なスポーツ、そして文化活動を営むクラブ・サークルがあるということをお話ししたいと思います。他大学ではあまりみられない、「セパタクロー(東南アジア発祥の足や頭を使って打ち返し合うバレーボール)」や「ガムラン(インドネシア民族舞踊音楽)」に始まり、体育会30団体、学術文化連合会28団体が活動しています。また「フットサル」や「ボードゲーム」など学生が自分たちで作るサークル(届出団体)も数多くあります。

なぜこのような課外活動に言及するかというと、大学というものが教室での授業だけで成り立っているわけではないからです。部活動での先輩や後輩との出会い、学園祭に向けての準備や練習、特別講演会での講師スピーチへの感動、他大学学生との対抗試合や連携活動、これらすべてを含めて大学なのです。そのような出会いの機会や場を亜細亜大学はたくさん提供しています。

第三に、本学において、深い学問研究に基づく充実した授業が行われているということを挙げたいと思います。各学部の「教員情報」をぜひ一度ご覧になって下さい。多様な分野にわたり、高い水準の研究が行われていることがよく分かると思います。その土台があってこそ面白い授業が提供されているのです。
むろん「学問の面白さ」を味わうためにはそれなりの努力が必要とされます。時には味気ない公式を覚えたり、地道に辞書を引いたり、そんなことも求められます。しかし、ここで野球を例に引くなら、素振りやキャッチボールの繰り返しなしに、ホームランや名守備の感動が生まれないように、基礎の鍛錬がなければ、深い学問の喜びを得られないのです。

こうした深い学問研究と楽しい学修をつなぐ最近の事例が本学において2020年に開設された副専攻プログラムです。「スポーツ科学副専攻」では、「救急処置と予防法」や「リーダーシップとコーチング」など多角的な科目履修により、スポーツを学問的体系的に学ぶことができます。一方、「データサイエンス副専攻」は、大量データの統計分析手法やプログラミングの学修を経て、人工知能(AI)やバーチャルリアリティ(VR)の応用演習により数理・データサイエンス・AIを習得するプログラムで、文部科学省の認定も受けています。

どうでしょう。皆さんに少し掘り下げた本学の姿が分かってもらえたでしょうか。亜細亜大学は、アジアと共にあって、皆さんに深い学識、多様な出会い、多彩な活動の場を提供する、挑戦を続ける大学なのです。最後にあらためてこう申し上げます。
亜細亜大学へようこそ。

学長プロフィール

最終学歴・学位
東京大学大学院 法学政治学研究科第一種博士課程単位取得満期退学
学位 昭和55年3月 法学修士(東京大学大学院)

略歴
昭和59年4月 亜細亜大学経済学部国際関係学科 講師
昭和62年4月 亜細亜大学経済学部国際関係学科 助教授
平成2年4月 亜細亜大学国際関係学部国際関係学科 助教授
平成8年4月 亜細亜大学国際関係学部国際関係学科 教授
平成11年4月 北海道大学スラブ研究センター客員教授(平成12年3月まで)
平成13年4月 東京大学大学院総合文化研究科客員教授(平成15年3月まで)
平成19年4月 大学評価・学位授与機構学位審査会専門委員(平成22年3月まで)
平成22年4月 亜細亜大学国際関係学部長、学校法人亜細亜学園理事(平成26年3月まで)
平成31年4月 学校法人亜細亜学園評議員(現在に至る)
令和3年10月 亜細亜大学学長(現在に至る)、学校法人亜細亜学園理事(現在に至る)

所属学会
国際政治学会、比較政治学会、ロシア・東欧学会

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〈2023年7月20日更新〉
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