イベントリスクにも強い
エアラインビジネスの
新しい業態の可能性とは
エアラインビジネスの
新しい業態の可能性とは
#亜大の研究
木﨑 英司 教授
経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
2026.11.01
シリーズ企画「面白くなければ学問じゃない!」では、亜細亜大学の教員陣の研究内容やエピソードを紹介します。第26回の特集は、経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 木﨑 英司教授です。
航空会社の現場で学んだ「人を支える仕事」
特に印象に残っている出来事は、国際線に初めて乗るご高齢のお客さまをお迎えしたときのことです。その方は洋食の機内食が口に合わず、ほとんど召し上がっていませんでした。そこで、ご事情を伺ったうえで、私が持っていた乗務員用の海苔巻きをお渡ししたところ、とても喜んでくださいました。後日、その方が社長宛てに手紙を書いてくださり、社長から直接お褒めの言葉をいただいたのです。うれしかったですね。
この経験から学んだのは、サービスとは決められたことをするだけではないということでした。目の前のお客さまが何を求めているのかを考え、一歩先の行動をする。そうした姿勢が、人に喜んでもらえるサービスにつながるのだと実感しました。
日本航空在籍中には、客室乗務員のサービス品質管理も担当しました。他社の取り組みなどを調査するなかで、サービスや人材育成について多くの知見を得ました。それを大学で教えてほしいということで、大学への出向が始まりました。
学生を教えるという経験は私自身の成長にもつながり、その後、大学教員として本格的に研究・教育に携わることを決意して会社を退職。大学教員を専業とするなら、学術的な研究に取り組む必要があると考え、大学院にも進学しました。航空業界での経験を生かしながら、現在は主にキャリア支援や人的資源管理、ホスピタリティ産業で活躍する人材について研究しています。
答えを教えるのではなく、自分たちで答えをつくる
私が授業で心がけているのは、「講義と実学の融合」です。そこで、航空会社勤務時代に私自身が実際に直面した課題などを題材として取り上げています。ただし、その際、当時私が出した答えをそのまま学生に教えることはしません。
学生たちには、まず与えられた課題について事実を分析し、何が問題なのかを考え、解決方法を立案してもらいます。答えは一つとは限りません。グループで議論しながら、多くの意見をもとに自分たちでより良い解決策をつくっていくのです。
例えば、機内食の提供方法を効率化するにはどうすればいいか。単純に考えれば、設備を変えて効率化し、空いたスペースに座席を増やせば収益を増やせます。しかし、そうすると今度は「増えた乗客の食事をどうするのか」という別の問題が出てきます。
一つの答えを出して終わりではなく、「その先に何が起こるのか」まで考える。私は、そうした思考力を学生たちに身につけてほしいと考えています。
高校までの経験から「授業は先生から答えを教えてもらうもの」と考えている学生は少なくありません。しかし、あえて私の考える答えを教えず学生たちにひたすら考えてもらうと、やがて自分たちの答えをなんとか見つけてくるのです。若い人の柔軟性はすごいですね。
ゼミではさらに、「0から1をつくる」ことを大切にしています。私のゼミはキャンパスの近隣地域である西東京市の地域活性化事業などにも参加し、地域の方々と一緒にイベントを企画したり、商店街を盛り上げる仕掛けを考えたりしています。実際に航空会社でも現役の客室乗務員がふるさとの観光大使として地方の観光局に出向して地元の魅力を発信し、観光需要を喚起していますので、これは学生にはいい経験になります。また、学生がこの活動を通して、市役所の方、商店街の方、銀行の方など、大学の中だけでは出会えない社会人と接することになります。そこで、社会人としての振る舞いや、相手とのコミュニケーションの取り方も少しずつ身についていきます。もちろん失敗することもありますが、失敗しても、それを次の成長につなげていけばいいのです。
学生たちには、まず与えられた課題について事実を分析し、何が問題なのかを考え、解決方法を立案してもらいます。答えは一つとは限りません。グループで議論しながら、多くの意見をもとに自分たちでより良い解決策をつくっていくのです。
例えば、機内食の提供方法を効率化するにはどうすればいいか。単純に考えれば、設備を変えて効率化し、空いたスペースに座席を増やせば収益を増やせます。しかし、そうすると今度は「増えた乗客の食事をどうするのか」という別の問題が出てきます。
一つの答えを出して終わりではなく、「その先に何が起こるのか」まで考える。私は、そうした思考力を学生たちに身につけてほしいと考えています。
高校までの経験から「授業は先生から答えを教えてもらうもの」と考えている学生は少なくありません。しかし、あえて私の考える答えを教えず学生たちにひたすら考えてもらうと、やがて自分たちの答えをなんとか見つけてくるのです。若い人の柔軟性はすごいですね。
ゼミではさらに、「0から1をつくる」ことを大切にしています。私のゼミはキャンパスの近隣地域である西東京市の地域活性化事業などにも参加し、地域の方々と一緒にイベントを企画したり、商店街を盛り上げる仕掛けを考えたりしています。実際に航空会社でも現役の客室乗務員がふるさとの観光大使として地方の観光局に出向して地元の魅力を発信し、観光需要を喚起していますので、これは学生にはいい経験になります。また、学生がこの活動を通して、市役所の方、商店街の方、銀行の方など、大学の中だけでは出会えない社会人と接することになります。そこで、社会人としての振る舞いや、相手とのコミュニケーションの取り方も少しずつ身についていきます。もちろん失敗することもありますが、失敗しても、それを次の成長につなげていけばいいのです。
これからのエアラインビジネスの変化と可能性
私の研究テーマの一つに「エアラインビジネスの業態変化の可能性」があります。航空業界は今、大きな変化の中にあります。2020年のコロナ禍、震災や戦争、経済危機など、航空業界にはこれまでもさまざまな「イベントリスク」がありました。そしてこれからも、そうしたリスクが発生する可能性はあると考えられます。だからこそ、航空会社はこれまで培ってきた人材やノウハウなどのリソースを、多様な分野にも生かして、リスクを分散していく努力が必要です。具体的にはドローンによる新規事業や新たな物販事業などが考えられますが、航空会社が事業を継続していくためには、航空一本足経営から脱却しなければならないと考えます。
また、AIや自動化によって、空港のチェックインなどはどんどん無人化しています。これからは「人による接客ができる」だけでは十分ではありません。どこまでを機械に任せ、どこから先は人が担うべきなのか。それを判断し、仕組みとして管理する能力が必要になります。だからこそ学生には「0から1をつくる力」を身につけてほしいのです。自分自身が接客できることに加え、「どうすればもっと効率化できるか」「新しい価値をどう生み出せるか」を考えられる人材になってほしいと思います。膨大な既存の知識を生かす生成AIが一般的になったからこそ、これまでになかったモノやコトを自分の頭で生み出せる人材はどのような業界でも歓迎されるはずです。
さらに私は、航空会社などホスピタリティ産業で高い評価を得ている人には、どのような特徴があるのかについても研究しています。例えば、航空会社でお客さまから高く評価されている客室乗務員を調べると、「聞き上手」という共通点が見えてきました。サービスというと、英語力や発信力・プレゼンテーション能力など、話すことの上手さが評価されると思うかもしれません。しかし、本当に相手に寄り添うには、まず「聞く力」、相手の話をしっかり聞いて、気持ちを理解することが重要なのです。
このように、これからのエアラインビジネスには、今ある設備やサービスを見直し、さらに新しい事業の可能性も考えていくことが求められるのだと思います。
また、AIや自動化によって、空港のチェックインなどはどんどん無人化しています。これからは「人による接客ができる」だけでは十分ではありません。どこまでを機械に任せ、どこから先は人が担うべきなのか。それを判断し、仕組みとして管理する能力が必要になります。だからこそ学生には「0から1をつくる力」を身につけてほしいのです。自分自身が接客できることに加え、「どうすればもっと効率化できるか」「新しい価値をどう生み出せるか」を考えられる人材になってほしいと思います。膨大な既存の知識を生かす生成AIが一般的になったからこそ、これまでになかったモノやコトを自分の頭で生み出せる人材はどのような業界でも歓迎されるはずです。
さらに私は、航空会社などホスピタリティ産業で高い評価を得ている人には、どのような特徴があるのかについても研究しています。例えば、航空会社でお客さまから高く評価されている客室乗務員を調べると、「聞き上手」という共通点が見えてきました。サービスというと、英語力や発信力・プレゼンテーション能力など、話すことの上手さが評価されると思うかもしれません。しかし、本当に相手に寄り添うには、まず「聞く力」、相手の話をしっかり聞いて、気持ちを理解することが重要なのです。
このように、これからのエアラインビジネスには、今ある設備やサービスを見直し、さらに新しい事業の可能性も考えていくことが求められるのだと思います。
「自分がやって良かった」と思える道を
これから大学を目指す高校生の皆さんには、将来の仕事を考えるにあたって「これが正解」というものを探しすぎないでほしいと思います。人によって「やって良かった」と感じる瞬間は違います。机に向かって勉強することに充実感を覚える人もいれば、人に親切にして「ありがとう」と言われることに喜びを感じる人もいるでしょう。大切なのは、自分が何をしているときに「やって良かった」「好きだから続けたい」と思えるのかを見極めることです。そういう感覚を得られる進路は何なのかを、ぜひ考えてみてください。
大学では、高校までに身につけた知識だけでなく、部活動やアルバイト、人間関係など、それまでの経験すべてを使って課題を解決することが求められます。亜細亜大学には、さまざまな経験を持った学生や教員がいて、互いに刺激を受けながら成長できる環境があります。
私が長年働いた航空業界も非常に魅力的な現場です。国内外でさまざまな文化や人に出会い、普段なら接することのない人と機内で話すことができます。また、赤ちゃんからお年寄りまで、一人ひとりの思いに寄り添うこともできます。そうした仕事に魅力を感じる人には、ぜひ航空業界を目指してほしいと思います。私もできる限りバックアップをさせていただきます。
大学では、高校までに身につけた知識だけでなく、部活動やアルバイト、人間関係など、それまでの経験すべてを使って課題を解決することが求められます。亜細亜大学には、さまざまな経験を持った学生や教員がいて、互いに刺激を受けながら成長できる環境があります。
私が長年働いた航空業界も非常に魅力的な現場です。国内外でさまざまな文化や人に出会い、普段なら接することのない人と機内で話すことができます。また、赤ちゃんからお年寄りまで、一人ひとりの思いに寄り添うこともできます。そうした仕事に魅力を感じる人には、ぜひ航空業界を目指してほしいと思います。私もできる限りバックアップをさせていただきます。
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