「もともと声が小さいんです」と少し遠慮がちに話し始めた坂口さんは、その語り口からは想像できないほどアグレッシブな学生生活を送っていました。「いろいろ失敗もしました」と明かしますが、キャンパス内外で経験したり感じたりしたことを、しっかりと自分の糧にし、目指す仕事も自然と見つけ出したようです。
法学部
2022年12月撮影
ピアサポーターや委員会、地域の活動を通して
自分の理想の働く姿が見えてきました。
ピアサポーターや委員会、
地域の活動を通して
自分の理想の働く姿が
見えてきました。
2019年度入学
坂口桜子
法学部 法律学科4年
法学部 法律学科を
選んだワケ
受験生のころははっきりと目標などが定まっていませんでしたが、私たちの社会を形づくり支える法律を学ぶことは、将来の進路の可能性も広げてくれると考えました。
坂口さんの亜大ハイライト
ピアサポーターや学友会で、
自分の役割を考え視野も広げる
How was your 1st year?1年
坂口さんは入学後、学内のピアサポーターに登録しました。きっかけは、新入生研修「出会いの広場」の開催地に向かうバスで隣同士になった耳の聞こえないな女子学生との出会いでした。筆談しながら簡単な手話も教わり、そのまま友達になった彼女から「ピアサポーターにならない?」と誘われたのです。
亜細亜大学では、障がいのある学生の授業や学内移動などをほかの学生が支援する「ピアサポーター制度」を設けており、現在約80人の学生が登録しています。活動拠点となっている「障がい学生修学支援室」を訪れた坂口さんは、そこである体験をしました。
「学生たちが手話で話していて、会話が分からない私は、いたたまれない気持ちになりました。気づいた学生が通訳してくれましたが、あのとき初めて、言語的なマイノリティの立場を実感しました。こうした情報障害に日常的にさらされている友達に、少しでも役立ちたいと思ったのです」
ピアサポーターの活動をするなかで、気づきもありました。
「以前は、こうしたサポートは『やってあげる』というイメージがありました。でも実際は、あくまで対等で、一緒に授業を受けながら障壁になっている部分を取り除くだけのことです。支えるというよりも、消しゴムを忘れた友達に気軽に貸すようなスタンスでいればいいのだと感じました」
サポーター同士でも、学部や学年の垣根を超えた友人関係が広がりました。2019年には他大学で開催されたサポーターズフォーラムにも参加し、多種多様なボランティア活動をする他大学サークルとの交流も、視野を広げる機会になったそうです。
坂口さんは学友会の組織「学生健康保険委員会」にも入り、委員長まで務めました。この委員会は、学費とともに納入された組合費を学生の病院治療費などに充てる「医療給付金制度」の周知や、アルコールパッチテストなど、主に学生の健康的な生活を啓発する活動をしています。
「同窓生の健康のために活動したいという思いを持った先輩たちに触発されて入り、財務部長の仕事を2年間担当しました。活動の流れを把握し、各執行部や全委員の連携を促す立場なので、コロナ禍であってもオンラインでこまめに連絡を取り合いながら各部局をバックアップしてきました。委員長になってからは全体をリードしつつ、各委員のやりたいことを応援して支えるよう努めました。自分が会社に入ったらチームでどんな立ち回りができるか想像できるようになり、自信がつきました。結果として就活でのアピールポイントにもなったと思います」
課外講座を活用し英語力アップ、
ヒンディー語の授業では語学の醍醐味も
How was your 1st & 2nd year?1~2年
亜細亜大学は豊富な留学制度が特色ですが、坂口さんは学内の授業だけでも十分に語学力を伸ばせたようです。その一つは英語。1年次に課外講座を受講し、年度末にTOEIC®835点をマークしました。2年次には専門科目「Legal Issues in Our Daily Life」でさらに鍛えます。
「この時、たまたま受講生が私1人だったためマンツーマン指導でした。法律英語だらけのテキストを読み込むのは大変でしたが、その分英文読解力が大幅にアップしました。仕事で必ず活かせると思っています」
もう一つが第2外国語として選択したヒンディー語です。亜細亜大学では履修可能な第2外国語が14言語もあり、当時ヒンディー語を選択したのは坂口さん1人でした。
「ぜいたくな学習環境でした。ヒンディー語は、日本語と似た文法なのですが、表現が面白く、例えば『痛くなる、嬉しくなる』というのはヒンディー語では『痛みが来る、喜びが来る』という言い方で表現します。外国語を学ぶ醍醐味は、使う人たちの価値観や感じ方、その背景にある文化の違いに気づくことだと思いました。今後は他の外国語も学んでいきたいですね」
これまでの挑戦や学びから将来を見い出す
How was your 1st to 3rd year?1~3年
学業や課外活動に忙しい坂口さんでしたが、同時並行で、1年次から就活準備も始めていました。きっかけは入学直後に学内ロビーで開催されていた資格講座案内イベントで、キャリアセンター職員と出会ったことでした。
「低学年からするべき就活準備について教えてもらい、継続的に受けられる就活コンピテンシー診断(Sprout)や職業興味テスト(VRT)などで自己分析を始めました。キャリアセンター主催の低学年向けガイダンスやイベントにも参加し、企業のサイトの見方や企業理念の捉え方などを学びました」
職員に勧められ、ICS(Internship & Creationship Study)という1・2年生向けのインターンシップや、企業主催の1Dayインターンにも積極的に参加しました。ただし専門的な学びが深まる3年次には就活を休止し、学業や課外活動に全力投球しました。なんと新たに体育会系のワンダーフォーゲル部にも入部。そうしているうちに、自分の将来像が見えてきたそうです。
「もともと人と話すよりも裏方の事務のような仕事に就くつもりでしたが、学内外でのいろいろな経験を重ねるうちに、『さまざまなところに行って、新しい出会いができる仕事がしたい』と思うようになりました。そして理想として、前から憧れてきた医療業界で働く姿が思い浮かびました」
就活再開は、会社説明会が本格スタートする3月1日に合わせ、1日に3社ずつオンライン企業説明会にも参加しました。大学で職員に添削してもらったエントリーシートも無事に通過し、臨床検査などを手がける企業を第一志望に、4月から面接を受け始め、同月下旬までの短期決戦で内定を手にしました。
就活後も続く学び。
4年間のチャレンジを支えたカウンセリング
How was your 4th year?4年
就活を終え、ゼミ以外の卒業単位もそろった坂口さんは、さらに他学部の授業をいくつか履修しました。その一つが経営学部の科目「アジアのビジネス環境」です。
「仕事で海外事業にかかわりたいと思い、受講しました。授業では、大手企業などが海外進出したときの課題や打開策などさまざまな事例を取り上げ、司会や発表・議論をすべて学生が主体的に進めます。法学部の私は、授業で使われる経営分野の知識も用語も知らなかったのですが、経営学部の学生たちに教えてもらいグループワークで楽しく学びました」
学内外で多くのことにチャレンジしてきた坂口さん。「ここまでやってこられたのは、カウンセリングセンターの存在が大きかった」と振り返ります。
「週1回ぐらいのペースで通い、カウンセラーの方に『今週はこんなことがあった』『次はこんなことをしてみたい』を話しながら、自分の状態を客観的に振り返りました。自分の探索基地があったことで、失敗しても立ち直り、また新しいことに挑戦できたように思います。ほかの亜大生の皆さんも、もし自分の中だけでモヤモヤ悩んでいることがあったら気軽に一度足を運んでみてください」
亜細亜大学での4年間に坂口さんが得た数多くの出会いと経験は、きっと、今後の人生の幅を広げる強固な土台になっていることでしょう。
- #挑戦と学びで理想のこれからをつくる
Q今後の目標を教えてください。
私は、日本やアジア諸国で人々の健康を支える人材になりたいと思っています。法学をはじめ語学や政治、経営学などさまざまな分野で学んだことは、すべて仕事に活かせると考えています。営業職での入社ですが、将来は海外事業にも携われるよう努力していきます。
Q受験生へのメッセージを
お願いします。
亜細亜大学には、学部での学びはもちろん学生生活やキャリア形成にかかわる支援が整い、「こんなことやってみたい!」という学生を応援してくれる職員や先生方が揃っています。課外活動やボランティアなどさまざまな経験ができますから、積極的にチャレンジしてみてください。たくさんの素敵な出会いが待っています。